ミサイル探査レーダー&迎撃ミサイル基地
イージス・アショアの秋田市配備の想定リスク

最適地か?

24時間、365日、どこを守るか。

24時間、365日、どこを守るか。

●陸上イージスはハワイ、グアムは守れても日本は守れない?(AERAdot.)
北朝鮮ICBMの場合、ハワイ攻撃に限れば、秋田が絶好の射点になります。/日本防衛に陸上イージスを配備するなら能登と隠岐に置くはずだ。(記事引用)

●Youtube デモクラシータイムス「イージスアショアの「ごまかし」
イージス・アショアがないと、日本を防衛できないのか?/イージス・アショアは、なぜ秋田と山口に?/イージス・アショアのレーダーは、桁違いの大出力、健康被害の恐れ?(対談テーマ引用)

●なぜ今イージス・アショア配備なのか? 情勢に逆行する不沈空母化(長周新聞 2018.6.28)
ミサイル攻撃の標的になるのだから、やはり相応の納得のいく説明や理由が求められる。そして、最悪の事態が起こったときに、県知事であれ首長であれ、誰がどのように秋田や萩地域で暮らす住民の生命や財産を守るのか厳密に問う必要がある。住民は巻き添えをくらうモルモットではないのだから。(記事引用)

政府方針

◆平成30年版防衛白書 陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)について

イージス・アショアは、イージス艦(BMD対応型)のBMD対応部分、すなわち、レーダー、指揮通信システム、迎撃ミサイル発射機などで構成されるミサイル防衛システム(イージス・システム)を、陸上に配備した装備品であり、大気圏外の宇宙空間を飛翔する弾道ミサイルを地上から迎撃する能力を有しています。

北朝鮮に、わが国を射程に収める各種の弾道ミサイルが依然として多数存在するなど、弾道ミサイル防衛能力の向上は喫緊の課題である中、イージス・アショアを導入すれば、わが国を24時間・365日、切れ目なく守るための能力を抜本的に向上できることになります。

防衛省の平成30年版防衛白書<解説>陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)について

日本を守らずにグアムとハワイを守る。

イージス・アショアのレーダー放射範囲

イージス・アショアのレーダー放射範囲
左図:左図 産経新聞 2018.7.23
中図:左図にレーダー探知範囲の円(赤)を筆者が追加。

「イージス・アショアは2基で日本全土をカバーできる」の文言が報道で繰り返されています。 国民は「二基で日本全域がミサイルの脅威から解放されるなら必要だ。なのに地元が反対して困ったなぁ」と思うでしょう。「二基で日本全土をカバー」には反対論を封殺する力があります。

しかし、東京、名古屋等の日本の都市が標的とされた場合、防御(ミサイル迎撃)できない(東京を守るなら能登沖が適地)という識者もいます。

防衛省には、二基でどのように日本本土を防衛するのか、その方法を説明していただきたいです。

北朝鮮のミサイルは10分で日本に着弾するそうです(内閣官房シナリオ)。 その10分間にイージス・アショアがどのように迎撃態勢を整え、東京に着弾する前にそれを撃ち落とすのか、
もし迎撃に失敗したら、迎撃ミサイルはどこまで飛んでいくのか(中国、韓国、北朝鮮?)
大気圏外で撃破するのか、残骸は宇宙に飛び宇宙ゴミとなるのか、それとも地球全土に落下するのか、
大気圏内で撃破するのか、核や火の玉の残骸があの二つの楕円の範囲内のどこかにふりそそぐのか、
ブースターやミサイルの残骸が落ちてきたら、私たちはどうやって身を守ればいいのか・・・。
疑問はつきません。

日本は北朝鮮と戦争する理由をもちませんから、ミサイル戦争を現実的にはイメージできない人が多いです。

一方、米国は、「国益を害する恐れ」だけで先制攻撃をし、北朝鮮に対しても攻撃オプションを捨てていません。 米朝のチキンレースでどちらが先に「切れる」にしても、ミサイルが飛ぶのは日本上空、落ちるのは日本本土。 米国防衛のために秋田と山口が標的となったり、 秋田と山口の二基を中心とする2つの楕円(防護範囲)中に、核ミサイルと迎撃ミサイルの残骸が降り注ぎ、結果的にハワイとグアムを守る、これのどこが国防でしょうか。

「正射方位図法」を使った分析。

「正射方位図法」を使った分析

元秋田大准教授の福留高明さんが分析し作成した図。

正しい位置関係を見るため、北朝鮮ミサイル基地のある舞水端里を中心とした「正射方位図法」を使った分析。 米軍基地があるハワイ、グアムと北朝鮮の位置関係に着目。北朝鮮とハワイ、グアムをそれぞれ最短経路を結んだ線の近くに、秋田市と山口県北部が位置する。

更に、秋田と山口の地上イージスが、北朝鮮の弾道ミサイルから、東京、グアム、ハワイを防衛できるかどうかを分析すると、グアム向けのミサイル防衛は山口県の萩市が最適地。ハワイ防衛は秋田県が最適地

一方、東京については、萩や秋田は「(東京)迎撃可能範囲」から外れ、東京を防衛することはできない。東京を含む日本本土を守るためには、イージスは日本海の海上(なるべく北朝鮮寄り)に配備するしかない。福留高明氏のFacebook「北朝鮮ミサイル基地-秋田・萩-ハワイ・グァム米軍基地の地理的位置」より

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イージス・アショアを導入すれば、24時間・365日、切れ目なくミサイル飛翔体の探査ができ、グアムやハワイに向かう飛翔体なら迎撃ミサイルで防衛できる。しかし、日本の首都圏や都市、自衛隊・米軍基地に向けられたミサイル飛翔体を迎撃する仕組みは無い(全く説明されていない)。

★佐竹知事の発言(秋田県議会 2018.9.20)

菅義偉官房長官は、集団的自衛権行使が可能となる安全保障関連法の新3要件に該当した場合、米領グアムに向けた北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃することは可能だとの認識を示した。これを受け佐竹知事は、「政府が日米両国用として配備するということだろう」仮に本県に配備すれば、位置的に東京を狙うミサイルを迎撃できる確率は低くなる一方、米ハワイを守ることが可能になるとの見方を示し「日米両用というのは常識だ」と話した。秋田魁新報 2018.9.20

住宅地が攻撃されない根拠はどこに?

「有事の際にミサイル攻撃されれば、県としての機能が完全に失われる。防衛省は最適地だと言っているが、なぜ最適地なのか全くわからない」(「イージス・アショア問題を考える新屋住民の会」代表)

「米朝会談が行なわれるなど北朝鮮の状況は変わってきました。むしろ、配備候補地が秋田県と山口県だということに、ロシアと中国の存在が見え隠れしています。ロシア、中国との有事の際は、日本に、アメリカの盾になれということであって、決して日本を守るためではありません。この防衛システムはアメリカを守るためのものなのです。国は、配備すると決めたら必ず配備する姿勢です。しかし、地域住民として、勉強会などを開きながら、町内会における配備反対決議など、意思を表明していきます。」

Sputnic日本 2018.7.31 イージス・アショア配備に高まる疑念

配備地候補の素案はアメリカから

2015.11 米国国防権限法の議会声明
「日本政府が地上イージスを購入する決定は、緊密な同盟国との防空・ミサイル防衛能力の相互運用性と統合を促進する重要な機会となる」。日本が地上イージスを導入することは、米国を中心とした同盟の利益となる。

●2016.2.24 米連邦議会・下院軍事委員会の公聴会
ハリス米太平洋軍司令官(当時)は、イージス・アショアを日本が導入すれば米国にとってどんな利益が生じるのかの議論の中で、「アジア太平洋に展開している(米軍の)イージス艦の任務を軽減するのでは?」と問われ、「それは確かだろう」と答えた。

秋田魁新報 2019.1.10 日本配備、米で先行議論

●「24時間365日」「米軍の負担軽減」の意味するところ
運用に要する人員も1チーム20人程度とされ、交代制を敷くことで24時間365日の警戒監視態勢も実現する。ミサイル防衛任務から解放されたイージス艦は南西諸島方面などに展開し、元来の任務であるシーレーン(海上交通路)防衛に注力できる。

イージス・アショアは、北朝鮮だけでなく中国の弾道・巡航ミサイルへの対応を念頭に置いた装備でもある。北朝鮮危機の陰に隠れているが、日本の安全保障上の最大の脅威は、不透明な軍備増強を続ける中国であることに変わりはない。

産経ニュース 2018.7.23
サンケイ
左図:産経ニュース 2018.7.23
右図:秋田魁新報 2018.3.24

●2017.11 トランプ大統領の来日 => 2017.12 突然の閣議決定
2018.3.23の衆院外務委員会にて、緑川貴士氏(比例東北)は、トランプ米大統領が2018年11月に来日した際に「安倍晋三首相は大量の(米国製)軍事装備を購入するようになるだろう」と発言し、翌月に政府が地上イージス導入を閣議決定したことに言及。「中期防衛力整備計画(中期防)にない装備の計画が急浮上してきた。米国に勧められるままに買うのが実際のところではないか」と迫った。

これに対し山本朋広防衛副大臣は、弾道ミサイル防衛システム全体の在り方を2014年度から調査研究してきたと説明。「北朝鮮が移動式発射台や潜水艦発射型弾道ミサイルを開発、配備した状況を踏まえ、地上イージスの必要性を考えた。トランプ大統領に勧められたから導入するのではない」と述べた。(秋田魁新報 2018.3.24)

●イージス、県質問状に防衛省回答
2018.7.19 防衛省:米国の協力も得て(イージス・アショア)の候補地を選定した。秋田魁新報 2018.7.20 「新屋」以外条件満たさず。

立地問題

なぜ住宅密集地のこんな近くが危険な軍事拠点の「最適候補地」といえるのか?

住宅密集地と隣接

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イージス・アショアの配備・候補地について、Google Mapの航空写真をベースに、半径4km圏と、2kmの距離を図示してみました。

ルーマニアのイージス・アショア
Deveselu in Rumania :ルーマニアでは、配備基地の10キロ圏内に五つの市と村があるが、基地に最も近いデベセル村で3.8キロの距離。人口約3千人の村内には一つの学校と二つの幼稚園がある。その北側には約3万人が暮らすカラカル市があるが、こちらは5~7キロ離れている。秋田魁新報 2018.7.22
ポーランドのイージス・アショア
Slupsku in Porand:レジコボ米軍基地周辺。ポーランドではレーダー等を妨げないように「基地から35キロ圏内では、建物の高さを15.24m以内にする」、「基地周辺の空域は飛行を制限する」「基地から四キロ以内では、風力発電施設の建設を禁止する」。規制による経済損失は、25年間で900億円との試算。リテラ 2019.2.2
ハワイのイージス・アショア
太平洋ミサイル試射場(Pacific Missile Range Facility:PMRF)はハワイ州カウアイ島西岸バーキング・サンズにある。ビジネス地区の北西9kmに位置している。隣接した土地はサトウキビ畑だが、米海軍は、軍の訓練や研究とサトウキビ農業の両立を図っている。WIKIPEDIA Pacific Missile Range Facility
山口のイージス・アショア
陸上自衛隊むつみ演習場周辺。山口県萩市の中心部から約二十キロ。東京ドーム二十一個分の盆地百ヘクタールの田園風景が広がる阿武(あぶ)町宇生賀(うぶか)地区の間近に、イージス・アショア候補地の「むつみ演習場」がある。東京新聞 2018.8.1

秋田市の陸上自衛隊新屋演習場(オレンジの)の周辺地図

秋田市新屋のイージス・アショア

新屋演習場が特殊な位置関係にあることの問題:
隣接する勝平地区には約5400世帯1万3千人が住み,演習場の端から最も近い住宅地までは約300mである。演習場中心部から半径1㎞圏内には小学校,高等学校があり,3㎞圏内には秋田県庁,秋田市役所,県警本部といった行政の中枢機関や総合病院がある。また,演習場に沿うように延びる国道7号線は,1日当たり約1万7千台が通行する主要幹線道路である。秋田弁護士会 会長声明 2019.3.20

他事例に比べ生活圏が近く、電波による健康影響や有事の際の安全性などが懸念されている。秋田魁新報 2018.7.22

海上自衛隊・元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「一般論として軍事施設は、生身の人間が近くにいることを想定していない。施設防護や周辺への影響の観点から、人が近くにいない環境が好ましい。地上イージスに搭載するレーダーなどがどの程度、周囲に影響を及ぼすか慎重に見極める必要がある」と指摘する。

新屋演習場は市街地に近接しています。他の(イージス・アショアの)配備地や実験施設と比べると、秋田市の配備候補地は生活圏の近さが際立つ」と指摘しています(秋田魁新報 2018/1/23)。 

軍事評論家の前田哲男氏は「(秋田市の)演習場周辺を視察したが、こんな住宅密集地のそばに配備していいものか」と懸念を示しました(河北新報)。

ルーマニアのデベセル村の市民に秋田市新屋の航空写真を見せると、目を丸くして驚いた。「こんなに近いのか。ルーマニアだったら、国民が反乱を起こしているだろう秋田魁新報 2018.10.1

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【容認論】イージス・アショアはルーマニア、ポーランド、ハワイにも配備されている普通の防衛兵器だ、日本だけ要らない、とは言えない。
【反論】 配備地周辺に緩衝地帯が必要なのは、電磁波の被害もさることながら、攻撃された場合でも住宅地に被害がでないことを保証するためです。他の自衛隊や米軍基地も敵の攻撃対象になりますが、それらは、開戦の後、戦況によって、もしかしたら攻撃対象の一つになる、という頻度の限定されたリスクです。しかし、レーダー基地は、開戦の前か直後、まっさきに、必ず、徹底的に攻撃される可能性が大きく、周辺3~4㎞圏に緩衝地帯を設け、建築制限を設けるのは世界の常識です。ルーマニア、ポーランド、ハワイ、山口の配備(予定)地には、周辺3㎞圏に住宅密集地がないので、複数弾頭からなる核攻撃を受けても、被害は極小ですみます。しかし秋田市新屋の配備予定地は、3キロ圏内に県庁、市役所、市立秋田総合病院などがあるため、軍事拠点の適地ではな~い!

標的

イージス・アショアは敵国からの第一攻撃目標になる。

秋田が敵の核ミサイル攻撃の標的になる

イージス・アショアは,開戦時には敵国からの第一攻撃目標とされ,平時においても破壊活動の対象となる危険が高い。新屋演習場の施設が攻撃され,防衛に失敗した場合の人的物的被害は甚大であり,秋田市の存続すら危ぶまれ,秋田県全域が機能麻痺に追い込まれることが想定される。秋田県民は,第2次世界大戦終戦前夜の土崎空襲を経験しており,当時のように戦時の攻撃目標とされることに対して強い不安を抱いている。秋田弁護士会 会長声明

軍事評論家の田岡俊次氏:有事の際は、レーダーのある場所が最初に狙われる。仮に北朝鮮が米国を攻撃しようとすれば、まずは秋田を攻撃し、レーダーを無力化しようとするだろう。北朝鮮はミサイルを数百発持っており、地上イージスに搭載できるミサイル数では足りない。なぜ、防衛力が向上すると言い切れるのか。うそを言っているか、担当者が実態を知らないかだ。 秋田魁新報 2018.10.11

軍事評論家の前田哲男氏:

-配備されれば攻撃目標になる恐れは。「湾岸戦争以降、米国が実践する現代戦では視覚や聴覚機能を担うレーダー基地をまず破壊した。有事があるとすれば、秋田や山口の有事から始まる。基地が、相手の攻撃を引きつける磁石の役割にならざるを得ない」

-配備候補地の新屋演習場は住宅地に近い。「昨年12月に訪れて、住家の近いところにあることに驚いた。イージス・アショアのレーダーは強力な電磁波を発し、住民に被害を及ぼす可能性がある。選びに選んでなぜ住宅地のそばなのか河北新報 2018.9.8

ミサイル防衛システムのレーダーは、戦争において最優先の標的だ。レーダーを破壊すればミサイルは発見できず、迎撃システムは機能しなくなり、敵に多大な損失を与えることができる。核戦争を想定したアメリカのプラン『SIOP-98』では、ロシアのレーダーシステムの破壊のために、69もの核弾頭が向けられる計画だ。これだけ多くの弾頭が必要になる理由は、どんな弾頭も針路から外れるからだ。ズレは平均で200~300メートルだが、数キロずれることもある。着弾点のズレを考慮すれば、最低でも一点の標的を破壊するのに核弾頭が3発から5発は必要になる。このほか、攻撃が間に合わずに打ち落とされたり、弾頭自体に不具合が生じる可能性もあるので、攻撃する側からすると、必要な弾頭の数は膨らんでいく。Sputnic日本 2018.7.31 イージス・アショア配備に高まる疑念:住宅地が攻撃されない根拠はどこに?

軍事基地が標的になるのは当然:(ルーマニアの)米軍司令官は「軍事基地が標的になるのは当然」としつつ「軍人の立場からすれば、街を狙っての攻撃はあり得ない。標的になるのは、あくまでイージスシステムだろう」と強調する。

(ルーマニアの配備地、デベセル村の)イオン・アリマン村長も「攻撃される可能性はあるだろう。配備に伴う当然のリスクだ」と認めていた。秋田魁新報 2018.10.1

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ルーマニアやポーランドでは、地元住民は標的リスクを理解し容認し、標的になるリスクに備え、周辺に十分な面積(農地)を設けたり、建築制限をかけたりしている。さて、秋田は?

公費や政務活動費を使ってルーマニアやポーランドの配備地を視察してきた秋田県議会の自民、みらい両会派の議員は、「ルーマニアやポーランドのような緩衝地帯をもたない秋田市新屋が最適地であると判断した根拠」を特に丁寧に説明していただきたい。朝日新聞 2018.12.14 イージス視察報告会

政府・防衛省の回答
現地説明会で防衛省幹部や小野寺五典防衛相の回答:

●「配備によって攻撃される可能性が高くなるとは思わない。攻撃を受ける可能性は、全体としては下がる」地上イージスを配備すれば弾道ミサイルに対する日本の対処力が向上し、他国はむしろ日本を攻撃しにくくなる。(秋田魁新報 2018.8.14)

●政府は、地上イージス導入により、日本の防護能力が抜本的に向上する。(秋田魁新報 2018.10.11)

●防衛省の五味課長は、「配備により抑止力が高まり攻撃は受けにくくなる」「警備に万全を尽くす」「総務省の電波防護指針に沿ってレーダーを運用する」「今後の調査で影響があると判明すれば配備はできない」と述べた。(秋田魁新報 2018.6.17)

●小野寺五典防衛相は2.14の衆院予算委員会で、仮に他国からミサイルを発射された場合についても「自らのシステムでこれを迎撃するため、配備先の住民も含めた国民の生命や財産を守ることができるようになる」と強調した。(秋田魁新報 2018.2.14)

★しかし、各説明会の会場からは「納得できない」の声。

迎撃ミサイル発射時の噴煙、騒音、衝撃、ブースター落下

イージス・アショアに搭載される迎撃用ミサイルSM-3ブロックⅡAは,ブースターエンジンで打ち上げられるが,同ミサイルが垂直に近い形で打ち上げられることから,1段目ブースターは発射地点近傍に落下する可能性が高い。秋田弁護士会 会長声明 2019.3.20

ルーマニアの米軍司令官は「迎撃ミサイルの構造は3段階から成り、その1段目のブースターは途中で切り離され、地上に落下する。ルーマニアでは基地から約3キロの地点には、人口約3150人のデベセル村があり、米軍はルーマニア政府にたいし、基地周辺にブースターが落下する危険性を説明している。 地上イージス基地のアクセル・シュタイナー司令官は「統計に基づく落下予測はあるが、100パーセント想定の範囲内に収まるとは言えない。最も確実な安全策は、基地の周りに住宅を造らないことだ」と話した。秋田魁新報 2018.9.29

ルーマニアの地上イージス・シュタイナー司令官。 「着任して3カ月になるが、レーダが発する電波の健康被害の報告は届いていない。周囲の安全に配慮して運用している。ただ、必要に応じ、迎撃ミサイルを発射する際は強い電波を出すことになる秋田魁新報 2018.10.2

政府・防衛省の回答
【リスク】1万3千人が暮らす住宅密集地に近接しており、落下した場合の影響は深刻だ。

【防衛省】「日本海に落下させる軌道を取るため、住宅地に落ちることはない」「迎撃ミサイル発射時の燃焼ガスは、新屋演習場内に収めることが可能。国内で発射試験を行う計画はない。」「支障を与えないかを十分に調査した上で、仮に支障を与える場合は必要な対策を実施する」

★しかし、各説明会の会場からは「納得できない」の声。

有事レーダーは東(内陸)方向に発することもある

政府・防衛省の回答

【リスク】レーダーは東(内陸)方向に発することもあるのか。

【回答】防衛省の担当者:レーダーはミサイルを探知してから「追尾」「迎撃」「迎撃効果の確認」に至るまで一貫して捕捉し続けると説明。「ミサイルが演習場の後ろ(内陸)に飛べば東側に照射することは当然あり得る。」安全性については「上空に向けるため、照射角はかなり高い角度になる。問題ないと見込んでいる」(秋田魁新報 2018.8.18)

破壊工作、テロ、ドローン攻撃

岩屋毅防衛相は3月8日の衆院安全保障委員会で、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場が候補地の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に関し、「航空機による(テロや破壊工作の)脅威もあり得るかもしれない」との見方を示し、対応としては「航空自衛隊の地上レーダーで警戒監視するとともに、陸自、空自の対空防護部隊を展開させ、近くの基地から戦闘機を発進させるなど万全の体制をとることになる」と述べた。国民民主党の緑川貴士氏(比例東北)の質問に答えた。秋田魁新報 2019.3.9

自衛隊がイージスアショア防護でドローン対策を検討:8月27日に防衛省が秋田県に対して行ったイージスアショア配備についての説明会で、イージスアショア防護のために地上からのテロ対策の警備兵だけでなく、空中からのドローン対策の資機材の用意と防空部隊の展開を検討していることが分かりました。

隠密性の高いドローンに爆発物を搭載して空中から破壊工作が行われる可能性に対し、対ドローン用の小型対空レーダーや音響検知装置などを設置して警戒し、排除を実施することになるでしょう。戦時はともかく平時の警戒で対空兵器を発射することは安全面や法的な問題がある為、迎撃用ドローン(ネットを搭載したドローンで敵ドローンを絡めとる)や指向性電波妨害銃を活用するなど、幾つか方法が考えられます。

ただし敵工作員がドローンではなく迫撃砲やロケット弾などで離れた場所から攻撃してきた場合、これを撃墜するにはカウンターRAMと呼ばれる種類の小型対空ミサイルや機関砲などを用意する必要があり、「防空部隊の展開」とはここまで含まれている可能性があります。 2018.8.28 Yahoo!ニュース

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中学校から400メートル、小学校から550メートルの場所に「対ドローン用の小型対空レーダー、音響検知装置、迎撃用ドローン、指向性電波妨害銃、小型対空ミサイル、機関砲」を整備し、平時は対空兵器の使用を避けるが、テロなどの有時はバンバンやりますよ、ということですね。どんな対策をしたって保護者は安全を確信できないのでは・・。

電磁波問題

専門家は強力な電磁波の健康影響を懸念。政府は問題を矮小化。

政府・防衛省の回答

小野寺五典防衛相は国会審議で、地上イージスのレーダーの周波数は無線LANなどに使われるSバンド(2ギガ~4ギガヘルツ)であり、健康への影響はないとしている。

全方向にレーダーの強い電磁波

イージス・アショアに設置されるレーダーの種類は決まっていませんが、米国がイージスシステム用に開発したSPY-1を例にとると、周波数3.1~3.5GHz(Sバンド)の電磁波が、最大4MW、平均64KWという高出力で、あらゆる方向へ放射されます。4MWは、単純計算で20Wの携帯電話基地局20万基分です。空軍事用語辞典++

イージス護衛艦は強力なレーダー波を出すため、乗員はレーダーの稼働中、甲板に出ることができず艦内にいることが義務づけられる。同様のレーダー波を出し、さらに発射時に噴煙とともにガスが発生するミサイルを持つイージス・アショアを、既存の自衛隊基地に配備するのだろうか。

米軍は2014年、北朝鮮からグアム島へ向かう弾道ミサイルを探知するため京都府の京丹後市にⅩバンドレーダーを配備した。配備から2年が経過した今も、基地そのものが出す騒音や強力な電磁波による健康被害を問題視する住民の反対運動が続いている。

国土交通省は、飛行機の計器に影響を与えることを理由に基地周辺を飛行制限区域に指定しており、京都府はこの2年間で緊急患者の搬送に使うドクターヘリの運航のためにレーダーの停波を求めたことが9回あったと明らかにしている。ミサイル防衛は住民の生活と無縁ではないのだ。現代ビジネス

ミサイル迎撃のために使用するレーダーは、数百キロ先の物体を探知する必要があるので、電気の出力も膨大になり、想像できないほどの電磁波が発生することが予想されます。防衛省が電磁波の調査 イージス・アショア配備で危惧される電磁波問題

電波を発する巨大な板状の「アンテナ装置ユニット」の照射角65度内は、フェンスで区切られ、人も機械も立ち入れない。強力な電子レンジのような高周波が出ており、有害だからだ。電波信号を管理する別ユニットで、米軍と契約する民間会社出身のオペレーターが24時間態勢で監視している。京都新聞 京丹後 米軍基地 Xバンドレーダー

米ハワイ州カウアイ島にある米軍のイージス・アショアの実験施設が1月10日、小野寺大臣の視察に合わせて日本メディアに初めて公開された時、レーダーが発する電磁波による人体や通信への影響、騒音について小野寺大臣が質問したのに対して、グリーブス米ミサイル防衛局長は「全く問題ない」と回答しました。その模様を取材した毎日新聞の秋山信一記者は「記者が周辺で撮影した動画には、ジジジという雑音が頻繁に記録されており、電磁波が影響した可能性がある」とレポートしています(毎日新聞 2018/1/12

電磁波による健康被害

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の荻野晃也代表(78)は講演で「レーダーの向きや角度で異なるが、新屋周辺の住宅地にも影響が出る恐れもある」。電磁波は人体や環境に影響を及ぼす可能性があるとし「政府の言いなりにならずに自ら学習し、未来を担う子どもたちを守っていかなければならない」と語った。(秋田魁新報 2018.5.21)

イージス艦のレーダーは400km先の小さな目標を捕らえる為、巨大な出力で電波を発信している。このレーダーの直前を横切る鳥は落ちるそうだ。近づくと人体にも影響するそうで、イージスシステム稼動時は甲板は立ち入り禁止で全員艦内に入る。高圧配電線からの電磁波と小児白血病の因果関係、電磁波とガンとの因果関係はまだ研究中。子供の施設を高圧配電線の近くに造る事を禁止している国も有る。また、電磁波過敏症という一種のアレルギーのような病気も研究されている。電磁波の人体への影響は?

電気安全環境研究所(東京)の電磁界情報センター、大久保千代次所長。 「低周波では神経を刺激し、電波が含まれる高周波では生体を温める熱作用がある。」「仮に(高周波の電波を使う)電子レンジの中に人が入れば危険なのと同じように、出力が何ワットで、レーダーから人までどれくらい距離があるかが問題。至近距離で浴びれば危険はある」「国内で電波を使う場合、総務省の電波防護指針に沿わなければならない。住宅地などでは、体内の温度(深部体温)が0・02度上昇しないレベルに抑える対策をするよう規定している。かなり厳しい基準だ」秋田魁新報 2018.4.26 地上イージス、電磁波の影響は?

政府・防衛省の回答

住民:レーダーの性能は明らかにされておらず、『安全だ』という説明だけでは信用できない。

防衛省:「人のいる地表には照射しない」などと安全性を強調。ただ、電波が周辺に漏れる可能性については「影響の有無をこれから調査し、対策を取る」としており、現段階で安全性の根拠は不明確だ。(秋田魁新報 2018.8.14)

防衛省:2018年度内に電波環境調査を実施する方針を改めて強調。公共施設や住宅地の位置関係を確認し、人体への電波の影響を調べると回答。レーダーは日本海側の上空に集中的に向けるほか、総務省の電波防護指針に沿って運用するため健康への影響は問題ないと説明。その上で不安を払拭(ふっしょく)するため「長期間にわたる安全性の検証も行う」とした。(秋田魁新報 2018.7.20)

民間航空機のレーダー妨害・飛行制限区域

政府・防衛省の回答

防衛省は現段階で、飛行制限区域を設定する可能性を否定していない。(秋田魁新報 2018.8.15)
防衛省:秋田空港発着の定期航空便への影響や対策については言及しなかった。(秋田魁新報 2018.7.20)

国土交通省の秋田空港航空路監視レーダー事務所によると、秋田空港を離着陸する航空機は札幌便や東京便など年間約1万5千便。このうち半数弱の約7400便は、秋田市沖の海上を飛行する。地上イージスのレーダーが向けられるとされているのは主に日本海側の上空。このため、航空機の飛行ルートへの影響が懸念されている。秋田魁新報 影響懸念 新屋上空に定期航路

Xバンドレーダーが先行配備された米軍車力通信所(青森県つがる市)西側の日本海。電波による航空計器への影響を防ぐため、半径・高度6キロの半円柱状の空間は飛行禁止区域で、航空機やヘリが入れない。京都新聞 京丹後 米軍基地 Xバンドレーダー

今般、在日米軍が経ヶ岬(きょうがみさき)通信所(京都府京丹後市)にXバンド・レーダーを配備・運用することに伴い、当該レーダーから発生する電波による航空機の計器等への影響を防止するため、航空法第80条の規定に基づき、下記のとおり飛行制限区域を設定いたしますので、お知らせいたします。国土交通省 報道

佐竹知事:秋田空港発着の航空機が、風の状況によって日本海側から回り込んで着陸するほか、札幌便が新屋上空の周辺を飛行するケースがあると指摘。「(飛行制限などで)定期航空路に影響するとなれば、飛行場の運用形態が変わる。これは大きな影響だ」(秋田魁新報 2018.7.12)

県は航空機への影響の有無を、配備の是非に関わる重要な問題と位置付けている。(秋田魁新報 2018.8.27)

政府・防衛省の回答

防衛省幹部:レーダーが発する電波が周辺を飛行する航空機に支障を与えることはないとの見通し。(2018.8.27)

山本副大臣:イージス艦を例に「レーダー照射中でも適切な管制によりヘリコプターの離発着が可能。航空機の計器などに影響を与えないよう運用している」と説明。地上イージスのレーダーについて「十分な調査を行った上で、必要に応じ対策を取る」(秋田魁新報 2018.6.6)

防衛省:レーダーが放つ電磁波や迎撃ミサイル発射による噴煙、衝撃については、新屋演習場は1平方キロの敷地面積があり、敷地外に影響を与えない配置が見込めると説明。一方、航空機への影響の可能性は否定せず、運航に支障を与えることが判明した場合は「レーダーの運用について必要な対策をする」とした。 秋田魁新報 2018.7.20

ドクターヘリ妨害

「京都府伊根町で5月16日に起きた交通事故で、ドクターヘリ出動のため、宮津与謝消防本部が米軍経ケ岬通信所に対しXバンドレーダーの停波要請をしたところ、米軍がこれに応じなかったため救急搬送に17分の遅れがでました。Xバンドレーダーは強力な電磁波を発生し、ヘリなどの飛行に支障が出る恐れがあるため、通信所の上空には半径6キロの半円柱状の飛行制限区域が設けられています。

 6月17日付山口民報は、萩市に配備する計画の「イージス・アショア」でも同様の事例が発生する可能性があると次のように書いています。

 「1日、萩市むつみ演習場へのイージス・アショア配備について,大野敬太郎防衛大臣政務官は、イージス・アショアが照射する協力な電磁波(極超短波Sバンド)がドクターヘリを含む航空機の計器等への影響を及ぼす場合があり、『航空機の計器等へ影響を勘案して飛行制限区域を設定する場合』があること、その際は『ドクターヘリなどが緊急時に飛行できるよう停波をする等の必要な対策を実施」すると認めた。」イージス・アショア ドクターヘリ出動に支障も

渡り鳥を惑わす電磁ノイズ

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イージス・アショアが誇る「24時間365日」、「日本全土を強力なレーダーで防護」が実施された場合、日本に飛来する渡り鳥が日本海上空で方向感覚を失い失速・彷徨・墜落するのではないか?

イージス・アショアのレーダー放射範囲に渡り鳥の飛行ルートがある

イージス・アショアのレーダー放射範囲に渡り鳥の飛行ルートがある
渡り鳥、微弱な電磁波でも方向失う:

微弱な広帯域の電磁波ノイズが、渡りをする鳴禽類が季節ごとに目的地に向かうルートを知るために用いる最重要機能を無力化しうる。NATIONAL GEOGRAPHIC

「甲板への立ち入りを禁止する」。イージスシステムの立ち上げとともに「きりしま」のハッチドアが次々と閉められ、艦内の赤色灯が点滅した。約500キロの探知範囲を誇る「きりしま」の全方位レーダが発する強い電磁波は、直接浴びれば人体に有害。「艦に近づく鳥が衝撃で急に落ちることもある」と隊員。共同通信ニュース速報 「イージス艦従え洋上給油 対米支援オペを公開」より引用

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イージス・アショアの運用と野生動物保護の両立を図るために、環境アセスメントが必要ではないの?
渡り鳥の生存は世界の関心事。二国間渡り鳥等保護条約
環境アセスメントは環境影響を知る上で大事。アセス事例:風力発電施設に係る渡り鳥・海ワシ類の情報整備

治安

迎撃ミサイルの雷等による誘爆事故

「デッキハウス(指令システム施設)の外にはミサイル発射装置が3基あり、24発装填(そうてん)されている。各発射装置は、雷による誘爆を避けるため、何本もの高い避雷針で囲まれている。不測の事態に備え、基地内には消防車両も常時待機している。

迎撃ミサイルには、大気圏外まで飛ぶのに必要な燃料が積まれている。ミサイルは外的要因で大規模な爆発を起こしかねない危険物だ。発射装置そのものも、180メートルほどの間隔で分散配置されている。もし密着させて配置する場合、一つでもミサイルが爆発すれば、残る全ても誘爆してしまう。

日本政府は、ルーマニアの例を基に、地上イージスには1平方キロ程度の平らな土地が必要と主張してきた。その基準を前提に、速やかに配備するため、日本海側の自衛隊施設から候補地を探った結果が秋田市の陸上自衛隊新屋演習場と山口県の陸自むつみ演習場という。防衛省は「他は条件を満たさなかった」としている。

ルーマニアの地上イージスは、約9平方キロの広大なルーマニア陸軍基地の中にある。米軍基地はその内の約1.7平方キロで、さらにその中にある地上イージスが置かれた中核エリアの面積は0.3平方キロ。

配備候補地を検討する上で、日本政府はなぜ1平方キロという面積要件を設定したのだろうか。誘爆の話を聞き、新屋の住宅密集地が配備に適しているのかと、改めて疑問に思った。 秋田魁新報 2018.9.28 東欧の地上イージス(3)ルーマニア ミサイルの誘爆も想定

有事の防衛体制

政府・防衛省の回答

【リスク】万一攻撃を受けた場合の防衛、避難の体制は。

防衛省:万一の場合は陸自秋田駐屯地(200人程度)や警察、海上保安庁とも協力しながら住民を守り抜く態勢を構築すると回答(2018.7.21)

施設が攻撃された場合、第21普通科連隊を活用し、被害を抑える。県警による施設警備は想定せず。秋田魁新報 2018.7.20

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大気圏外まで飛ばす燃料が積まれたミサイルが着火してとんでもない方向に飛行する可能性がある。「住民を守り抜く」「被害を抑える」の言葉は根拠を伴わない。一人の死傷者も出さないか。それとも、有事だからある程度の犠牲はいたしかたなしか?基地が無ければ攻撃対象にならない。有事の際の防護、避難の方法や被害の範囲、被害の程度をシミュレーションして示してほしい。

経済的損失

事業者撤退

地上イージス配備に伴い、配備地に近いポーランド北部スウプスク全体での民間投資を鈍らせた。これまでに建築制限や申請の煩雑さを理由に、企業の工場進出計画などが複数頓挫したという。25年程度の間に地域が被る経済損失の試算は、約800億円に上る。

日本国内の配備候補地とされる秋田市では、配備に伴ってどのような経済的影響があるのか議論は深まっていない。

経済的損失が出た場合の対応について防衛省は「(200人程度の)部隊を配置した場合、隊員や家族の生活に関するさまざまな消費活動が生じる」とむしろ利点を強調。住民説明会では「地域経済にも配慮する形を考えたい」と述べるにとどめている。秋田魁新報 2018.10.4 東欧の地上イージス(10)ポーランド 経済損失の穴埋め困難

ポーランド北部スウプスクのビエルナツキ副市長は「配備した場合の損失をまずは明らかにすべきだ。そして配備を受け入れるなら、その損失に対しどのような補償をいつまでに実施するのか、政府に確約させなければならない」と指摘した。

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「一旦、戦争状態になれば、敵の核攻撃の標的になるとともに、迎撃ミサイル発射による落下物被害の危険性もある秋田市中央部」で経済(事業)活動をするのはリスクが高い、と考える事業者が現れ、企業の進出抑制や撤退が相次いだら、その経済的損失は計り知れないものとなるのではないか。県は「風評被害」と強弁するかもしれないが、リスクは具体的だ。

風力発電の拡大制限

論点整理

【リスク】演習場西側には高さ120メートルの風車が4基立つ。「将来は風車整備(大型化)に制限がかかるのではないか」というのが県の不安要素だ。県産業労働部の石川浩司・新エネルギー政策統括監は「防衛省の説明では、どんな影響があるのかが分からない。演習場付近の沿岸は風況が良いエリア。再生エネを推進する県の立場としては、発電の継続を望む」と話している。

【回答】防衛省は「レーダーは相当程度、上に向けて照射するため、地上イージスを運用できる」と説明する。 風車が大型化された場合の影響については「県の知見を得て分析したい」としている。(秋田魁新報 2018.8.15)

施設移転、移住

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結局、中学校も高校も移転、度重なる避難訓練、核シェルターの建設、などが後から後から出てきて、秋田県民の期待を裏切ることになるのではないか・・・。イージス・アショア問題は配備で終わりではなく、そこから未来永劫、秋田県民を苦しめるだろう。

避難訓練、避難場所の整備

内閣官房庁が用意したシナリオ:男鹿北浦郷でのミサイル避難訓練 2017.3.17 
  • 9:30 X国(北朝鮮)がミサイルを発射する

  • 9:33(3分後) 発射情報を入手する

  • 9:35(2分後) 官邸から着弾が予測される地域の自治体に連絡が届き、防災行政無線で住民に避難指示を出す

  • 9:40(発射10分後) ミサイル着弾

出典:福田高明氏のFacebook 2017.3.18
九州・山口での避難訓練 2017.6.4

午前9時半、福岡県大野城市の大利小学校のグラウンドに設置されたスピーカーから、「X国からミサイルが発射されたもようです。頑丈な建物や地下に避難してください」。サイレン音に続き、アナウンスが流れた。

住民計約200人は、二手に分かれ、避難した。一方のグループは、グラウンド端に走り、倉庫の物陰などに、身を隠した。ミサイルの破片で、ガソリンに引火する可能性があるとして、駐車中の車からは離れた。

もう一方のグループは、校舎に駆け込んだ。爆発の衝撃で窓ガラスが飛散する恐れがあることから、窓から離れた位置に座り、鼻や口をハンカチで覆った。「大丈夫ですか」。参加者は声を掛け合った。訓練は約30分で終了した。

産経ニュース2017.6.5 今そこにある危機 マニュアル・訓練積み重ね必要 緊迫の半島情勢、初の避難訓練
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住民は、防災無線等で知らされてから、5分で避難を完了させなければならない。\(>><)/

複数の核弾頭による攻撃を受けますから、発射から10分以内に安全圏(倉庫の物陰や地下)に避難してください!って、これが原子爆弾を体験した国の政府が行う防災か!? ヽ(`⌒´♯)ノ

国際関係

極東軍事バランスを悪化させ国益を損なう

政府・防衛省の回答

日本政府は地上イージスについて「純粋に防御的なシステムであり、周辺諸国に脅威を与えない」「(配備により)攻撃される可能性が高くなるとは思わない」とリスクを否定している。

小野寺五典防衛相は衆院予算委員会で、「地上イージスは他国を攻撃する能力がないことから周辺国に脅威を与えるものではないと主張。「日本に対する弾道ミサイル攻撃を断念させる抑止力が大きく向上し、標的にされる危険性はむしろ減少すると考えている」と述べた。

秋田魁新報 2018.10.7 周辺国への影響 避けられぬ脅威の応酬

地域の軍事バランスを崩す、とロシアが反発

秋田市と萩市の配備するイージス・アショアから弾道ミサイル発射を探知できる範囲を示した図右図:秋田市と萩市の配備するイージス・アショアから弾道ミサイル発射を探知できる範囲を示した図。赤実線の円は半径約1,000 km、赤点線の円は半径約1,500 kmの範囲を示す。現在のイージス艦レーダーSPY-1の探知距離は約500 km、2023年就役の新型イージス艦のレーダーSPY-6は1,000 km程度、そして「LRDR」は1,500 km程度と言われる。このため中国、ロシアは、自国の手の内が明らかにされ、地域の軍事バランスを崩すとして“配備反対”を唱えている。(Googleから作成)

出典:TOKYO EXPRESS イージス・アショアの配備が前進

日本の防衛省が、イージス・アショアに、ロッキード・マーティン社製の長距離レーダー「SSR」を採用する方針を固めた。SSRレーダーは北朝鮮のミサイルだけでなく、中国やロシア極東上空の空域ないし宇宙空間を綿密に探る性能をもつ。探知距離1千キロの長距離識別レーダーは、防空システムの近代化を目的とした米国の大型防衛計画の一部である。日本のSSRレーダーはロシアや中国の戦略的に重要な一連の施設を探知する能力をもつと言える。前もって弾道ミサイルを搭載している日本のイージス艦やイージス・アショアは米軍のそれ同様に、露中の施設に突如ミサイル攻撃を行うことができる。これは全て、アジア太平洋地域の安全保障を脅かす。 Sputnic日本 新型イージスレーダーは日本にとっての巨大リスク

中距離核戦力(INF)全廃条約に違反

ロシアのラヴロフ外相は、日本に米国の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を配備することは、INF全廃条約に違反していると述べ、イージス・アショアは表向きはミサイル迎撃、防衛のためだとしているが、実際には巡航ミサイル「トマホーク」の発射が可能であり、攻撃用設備として使えるものだと指摘した。

それに対し日本の河野太郎外相は20日の衆議院予算委員会の答弁で、日本はそもそもINF全廃条約の参加国ではないため、「イージス・アショア」の日本への配備は、条約違反であるはずがない、日本はどんな義務も負っていないという見解を示した。

しかしロシアにとっては、日本の義務の有無が問題なのではない。日本に配備されるイージス・アショアが、米国のグローバル・ミサイル防衛システムの一部であり、ルーマニアとポーランドに配備されているのと同様、ロシアに向けた中距離ミサイルの発射装置として使われる可能性があることが問題なのである。Sputnic日本 2019.2.23 INF全廃条約破棄、日露平和条約交渉にとって悪影響か?

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中距離核戦力(INF)全廃条約の意義を否定する河野外相の言葉。条約に縛られて米国が実現できないことも、条約に署名していない日本でなら実現できる。この人が外相でいることこそ、日本と世界の大きなリスクではないか。

日本の岩屋防衛相:米国から調達されるイージス・アショアは巡航ミサイル「トマホーク」を発射する能力を有していないと主張。

ロシア外務省エフセーエフ氏:しかし、ロシア側の専門家らは、米国がイージス・アショアの防衛用機能を攻撃用機能に容易に改造できると確信している。

以前は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)こそが、敵国の領土を狙って地球上のどの地点に対しても弾頭を到達させることができる絶対的な兵器であると考えられていた。しかし、短・中距離ミサイルは現在、はるかに大きな度合いで世界を威嚇している。問題は、ICBMが発射されてから目標に到達するまで数十分かかるのに対し、短・中距離ミサイルの最大の長所が、数分間という非常に短い時間で目標にまで到達できることにあるということだ。

この事実がロシアにとって、その国土が日本に近い位置にあることを考慮に入れた場合、深刻な脅威になる。中距離ミサイルは、ロシアが報復攻撃を行うよりも早く、我々の国の戦略核戦力の制御手段を壊滅させることができる。この懸念を解消する方法は、当該施設の定期的査察だけが、米側は、欧州とアジアにおけるMD施設の査察に関するロシア政府の提案を全て拒否している」。

どのようなタイプの、そしてどのような射程距離のミサイルがイージス・アショアに装備されるのかについては、米政府が単独で決定する。いったいなぜ、日本政府が、本州に配備されるイージス・アショアの施設について、ロシアにとって脅威にならないとロシア政府に保証できるのだろうか?」。

日本国内に配備される迎撃ミサイルが米国自身によって運用される場合、イージス・アショアの施設にはINF全廃条約に対する違反がやはり存在するということになる。

一方、米政府はイージス・アショアの施設について、「非友好的な国々(北朝鮮とイラン)」から発射されるミサイルを破壊することを目的としていると主張し続けている。だが事実上、米国のMDが出現しつつあるのは、ロシアの国境沿いだ。 Sputnic日本 2019.3.5 INF条約の終焉

ロシア外務省エルマコフ氏:我々が懸念しているのは、日本が自国領土にトマホーク巡航ミサイルのような武器を運用できる垂直発射装置Mk-41を設置したイージス・アショアを展開することを決定したという事実だ。このようなシステムが、米国のミサイル防衛システムから完全な『独立』を維持するという保証はない。

米ミサイル防衛システム展開の特徴と領域は、それらが明らかな反ロシア及び反中国的な傾向を有していることを物語っており、実際のところ、これは日本の防衛力の強化ではなく、頑なに続けられている一方的かつ絶対に誰からも制御を受けない米国のグローバルなミサイル防衛ポテンシャルの増強である。Sputnic日本 米ミサイル防衛システム配備に関する日本の説明にロシアは満足していない

日本はミサイル防衛(MD)システムの本格的な強化に着手した。「イージス・アショア」の配備は、戦略分野における両国の深刻な対立の強まりを示す更なる証拠となる。つまり核大国が最初に攻撃を加えつつ、反撃はミサイル防衛(MD)システムで撃退することを見込む図式。これを1968年、ソ連の水爆の父であるアンドレイ・サハロフ氏は懸念していた。

日本への北朝鮮のミサイルの脅威は非常に具体的だとはいえ、日本のミサイル防御のシステム構造は、米が展開するシステム配置図に完全に適合するだけでなく、ロシアへの新たな脅威でもある。

本州の北部と南西部にイージス・アショアを配備することで、迎撃ミサイル「SM3」は計48発となる。こうして、高高度・遠距離の弾道ミサイルや巡航ミサイルの迎撃が可能になる。さらに、海上自衛隊はこんごう型護衛艦にイージスシステムを搭載。また、「あたご」「あじがら」にもイージスシステムを搭載。日本が保有するイージス艦は計4隻となる。日米は昨年2月と6月、弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル(SM-3ブロックIIA)を用いた弾道ミサイル迎撃合同演習を行った。集団的自衛権の枠組みの中で、日本はすでに、必要ならば米国を守る作業に着手している。

ロシアが反対する第3の理由は、これが両用システムだからだ。つまり、将来的にイージス・アショアは迎撃ミサイルだけでなく、攻撃用の巡航ミサイルも発射する可能性がある。実は、このシステムは汎用ミサイル発射機「Mk41」からの「デュアルユース」複合体。Mk41は迎撃ミサイルだけでなく、核弾頭型を含む地上発射型攻撃用巡航ミサイルを発射できる。つまり、これは、日本が質的に新たな攻撃能力を有するリスクをも意味することになる。 Sputnic日本 ロシアが日本の陸上イージス配備を好まない理由

日本は自国の安全保障を悪化させる一方だ。なぜなら日本の過去最高となる防衛関係費の予算と米国との戦略的同盟は地域での軍事競争と、ロシアと中国という2国の核大国との競争を暗に意味するからだ。Sputnic日本 日本の新防衛大綱 安全保障か憂慮すべき兆候か

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政府が繰り返す「周辺国に脅威を与えない」という言葉は、周辺国に理解されていません。周辺国が「日本は危険」と考えるなら、それは日本が脅威を与えていることになります。

政府が繰り返す「攻撃されるリスクは減少する」という言葉は、配備地の住民に理解されていません。住民が「不安だ」と考えるのは根拠のあることですが、その根拠を否定する説明が不足しています。

ロシアによる対抗措置

プーチン大統領は年次教書演説で、 INF全廃条約で禁止されたミサイルがロシアにとって脅威となる欧州に配備された場合の対抗措置は、ミサイルが配備される地域だけでなく、兵器を運用する中心地がある場所(米国本土)にも向けられる。相応する脅威が現れたら、すぐに対抗措置を実現する、と警告した。 朝日新聞DIGITAL 2019.2.21

2016年、プーチン大統領は米国が主導する欧州での地上イージス配備に「対抗措置を講じざるを得ない」と発言。その後、ロシアは同州で大規模軍事演習を実施し、今年に入りポーランドを射程に収める戦術ミサイル「イスカンデル」を同州に持ち込んだと表明した。地上イージス配備地のスウプスクとは約200キロの距離だ。 秋田魁新報 2018.10.7

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ミサイルが配備される地域が標的となるのは当然、というプーチン大統領のことば。ポーランド配備決定後、ロシアはポーランドに向けて最新の中距離弾道ミサイルを配備した。日本に対しても同様に行われるのではないか。そのミサイルの標的は、東京ではなく秋田・・・

(日本に配備されるイージス・アショア二基は)第一に中国に向けられるだろうが、ロシアの軍事施設も標的になり得る。ロシアは軍事技術的措置でこの脅威に対応を迫られるだろう。そうした措置には、南クリル諸島での軍事力の増強がある。こうして、日本は自国の安全保障を悪化させる一方だ。なぜなら日本の過去最高となる防衛関係費の予算と米国との戦略的同盟は地域での軍事競争と、ロシアと中国という2国の核大国との競争を暗に意味するからだ」 スプートニク日本 日本の新防衛大綱 安全保障か憂慮すべき兆候か

予算=税金

イージス・アショアのお会計

平成31年度防衛予算

国の予算=私たちの税金から

イージス・アショア 国の予算

● 2基の取得費と導入後30年間の維持・運用費(約1954億円)などを加えて約4664億円
● イージス・アショアが搭載する新型迎撃ミサイル「SM-3ブロック2A」(1発あたり40億円前後)
● 発射装置  費用不明
● 探知・追尾・射撃試験費用 570億円以上(米国の事例)
● 基地建設費なども含めれば8000億円近くに達する見込み(「週刊朝日」18年11月9日号/朝日新聞出版)。
● 前陸上自衛隊武器学校長の市川文一氏「アショアの維持管理費が将来、想定以上に膨らむ可能性が高い」(「週刊新潮」18年11月8日付/新潮社)

リテラ 2019.2.2

交付金に関する発言

佐竹知事:防衛副大臣と面会で、仮に配備するのなら本県に対する何らかの振興策が必要になるとの考えを示した。振興策については「防衛省の中枢の一部を秋田に置くことなど」と例を挙げた。秋田が重要な地域になれば、何が何でも国が守り抜く態勢になる」秋田魁新報 2018.12.22 

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毒を食らわば皿まで、ですか、佐竹知事!

佐竹知事:地上イージスはミサイルが撃ち込まれない限り目立った動きはないとし「30年そのままという場合もある。もし1発でも(他国から)撃たれれば全面戦争だ。交付金が地元への迷惑料という意味合いからすると、今までの例(単なる迷惑施設立地)とは違うのではないか」と述べた。(秋田魁新報 2018.3.17)

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防衛施設交付金の最大額は青森県三沢で6.7億。原発立地交付金の最大額は福井県で235億。イージスアショアの危険度は原発事故以上となれば、いったいどれだけの金が秋田の自民党関係者に流れるのか・・・目がくらみます。

開戦直後に「必ず、複数からなる核攻撃の標的になる」という、過去事例の無いほど大きなリスクを負うものであるから、危険度に応じた見舞金(交付金)は、他の軍事基地や原発の立地自治体をはるかに上回る、日本史上最高の規模となるべきであり、多少公共工事が増えるぐらいで応じるべきではない。

補助金、交付金は、「将来の被害に対する見舞金の前払い」である。自分の代だけ、任期中だけ無事であればいい、という考えは捨て、どれほど大きな負担を将来に残すことになるか、政治家、自治体の皆様には、必死に考えていただきたい。結局、中学校も高校も移転、度重なる避難訓練、核シェルターの建設、などが後から後から出てきて、秋田県民の期待を裏切ることになるのではないか・・・。

アクセス数(2019.2.15~~)
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