■■法的安定性に関する論点整理■■黒字部分は野党と参考人の発言/赤字部分は政府側答弁/緑字部分はサイト作成者の補足解説 ◆法的安定性
◆昭和47年見解昭和四十七年の政府見解
政府の主張
●憲法は武力行使を禁止しているが、昭和47年見解は環境変化に対応するために個別的自衛権を容認した。つまりS47見解を通したこと自体が、憲法の解釈変更が可能であることの証左。今回も環境変化に合わせ解釈変更できる。 ●「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」の中に「自国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は許される」が含まれる、という拡大解釈。 問題点S47の1,2を維持していれば、3は環境にあわせて変えてもいい、というのは、法的安定性がないということだ。(6/10、辻本) (その他、多くの反対論、問題指摘があるが、省略する)◆砂川事件・砂川判決事実確認1955年から米国は、日本をアジアの戦略拠点とするために、大型機の離発着可能な滑走路を必要とした。そこで、東京の立川、横田、小牧、伊丹など5飛行場の拡張計画を打ち出した。立川飛行場拡張のため農地の強制収容が予定された砂川町では、議会が全会一致で反対を決議。町議会議長を闘争委員長として、基地拡張に抵抗した。労組や学生も支援して、大きな基地拡張反対闘争に発展していった。1957年7月8日、反対する農民・学生らが、たまたま簡易な柵が倒れたので、基地内に4.5メートルほど立ち入ったところ、この行為が、安保条約に基づく刑事特別法2条(施設・区域を侵す罪)に違反するとされ、7人が起訴されたのである。これが世にいう砂川事件である。一審判決は、アメリカ軍の駐留を違憲とし、全員の無罪判決。 最高裁判決主旨:憲法第9条は日本が主権国として持つ固有の自衛権を否定しておらず、同条が禁止する戦力とは日本国が指揮・管理できる戦力のことであるから、外国の軍隊は戦力にあたらない。したがって、アメリカ軍の駐留は憲法及び前文の趣旨に反しない。他方で、日米安全保障条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」(統治行為論採用) 司法権の独立が侵害された(米国公文書によって判明)当時の藤山愛一郎外相、福田赳夫自民党幹事長、上告審の担当裁判長である田中耕太郎最高裁判所長官がマッカーサー駐日米大使と会った。米国大使は、同判決を最高裁に直接上告(跳躍上告)し、最高裁にて合憲判断する、という考えを示し、日本政府および裁判長はこれに従った。 米国公文書判明当時の新聞見出し:「米に公判日程漏らす」(『毎日新聞』4月8日付)、「砂川事件『少数意見回避願う』」(『読売新聞』)、「砂川事件『安保改定遅れに影響』」(『東京新聞』)、「司法の独立揺るがす 判決見通し伝達」(時事通信)、「全員一致願う」(共同通信)、「上告審見通し米に伝達」(『朝日新聞』4月9日付)という見出しである。参考リンク:砂川事件最高裁判決の「超高度の政治性」――どこが「主権回復」なのか 政府の主張憲法の番人である最高裁判決こそ依拠すべき法理である。砂川判決は憲法前文の平和的生存権を引いた上で、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な措置を取りうることは国家固有の権能であり当然のことである。必要な自衛の措置のうち、個別/集団的自衛家の区別をしていない。当時の最高裁判事は集団的自衛権が念頭になかったという人もいる。しかし判決では、国連憲章は個別的自衛権、集団的自衛権を各国に与えていると述べている。その上で「一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、〜内閣およびこれに対して承認権を有する国会の判断に従う」と述べている。(6/11、高村) 問題点政府が集団的自衛権容認の根拠として引用する砂川判決は、駐留米軍が憲法九条二項の戦力に当たるかが問題となったもので、昨日の特別委員会で横畠法制局長官も、集団的自衛権について触れていないと認め、また、政府の引用する部分が、先例として拘束性を持つものではない、まさに傍論部分であることを認めざるを得なかったものです。 しかも、砂川判決は、最高裁が統治行為論をとって憲法判断を避けたものです。その背景には、裁判所と日本政府に対するアメリカからの圧力があり、司法の独立も国家主権も損なわれた状態で出された対米従属の判決だったことが、アメリカ政府が解禁した文書等で判明しています。このような判決を根拠に最高裁も集団的自衛権を認めているかのように言う、憲法学者による違憲との指摘にも耳をかさない、こんなやり方が立憲主義にもとると参考人から指摘されるのは当然であります。(6/11、赤嶺) ◆日米ガイドライン従来のガイドライン97年のガイドラインは、事態がはっきり認識されていた。アメリカは日本を拠点にして朝鮮半島危機に対応する。日本は本土と周辺における後方支援を行う、というイメージがはっきりあった。新しいガイドライン
◆ 憲法9条・合憲性
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