安保法案の論点整理【参議院】その1

    参議院
    「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」
    審議内容の論点整理

    ■自衛隊の身分

    ◆国外犯処罰規定

    【7/29 水野賢一(無所属クラブ)】

    水野:国内では自衛隊員が武器を不当使用すれば「武器の不当使用についての罰則」がある。しかし海外での武器の不正使用に対する罰則はない。なぜないか。
    中谷:国内の罰則は、1年以下の懲役、3万円以下の罰金。国外犯は原則3年以上の罰則なので、均衡を考慮して、罰則なしとした。

    水野:不正な武器使用の場合、国内なら1年以下の懲役または3万円以下の罰金(この感覚もおかしいが・・)、国外なら罰則なし。
    中谷:自衛官は法令に基づいて適正に武器使用する。厳正な注意義務がある。徹底した訓練も行う。自衛官が海外で違法な武器使用を行うとは想定されない。派遣先で犯罪を犯した場合、どこで裁判するかは、派遣先国との間の地位協定等による。殺人の場合は刑法に国外犯処罰規定があるので、刑法で処罰される。海外での武器の不正使用については、国外犯処罰規定がないので、処罰はない。これはこれで適切であると考えている。

    水野:この問題の本質は、海外で自衛隊が勝手に武器を使用したり部隊を動かしたりすれば、思わぬ戦争に発展する。満州事変のようなことをしたら、中央が把握しないところで大変なことになる。ここに海外での武器使用の罰則規定がないのは問題だ。勝手に武器を使用しても罪に問われないのか。
    中谷:自衛隊法の罰則については、法案を改正する方向で検討する。

    水野:この法律に不備がある、という答弁なら、法案に欠陥があるから、これ以上審議できない。法案の出し直しを要求する。
    中谷:今法案とは別途、不断の検討を行っていく。
    安倍:現行の自衛隊法の罰則は、他の国家公務員の罰則との均衡から、一年以下の懲役または三万円以下の罰金としている。国外犯処罰規定は3年以上の懲役を伴う罪とされていることとの均衡を考慮し、国外犯処罰規定を設けていない。別途、国内犯処罰規定については、他の国家公務員との均衡から、最高7年以下の懲役または禁錮とされている。自衛隊は志願制なので、罰則をもってこれを維持するという考えには立っていない。自衛隊法の罰則の在り方については、別途、不断の検討を行う。
    水野:一般の公務員と違い、自衛隊員は武器を持つ。だからこそ武器の不当使用には厳しい罰則が必要。1年以下では甘すぎる。盧溝橋事件のように、一発の銃声から泥沼の争いに発展することもある。海外での武器使用には厳しい罰則が必要だ。自衛隊員が海外で武器を不正使用した場合、どうするのか。
    安倍:不断の検討を行う。
    水野:法案に不備がある。出し直しを要求する。
    安倍:自衛隊法の罰則の在り方は今回の法案とは別途検討する。

    【8/3 水野健一(無所属クラブ)】

    水野:自衛隊法第188条、国内での不当武器使用に対する罰則の適用事例はあるか。
    中谷:昭和35年から平成26年までの55年の間に、不正武器使用の事例は自殺、山に発射など38件。有罪6、起訴猶予32、懲戒処分15。

    水野:海外での不正武器使用の事例はあるか。
    中谷:ない。
    水野:この法案が通れば、自衛隊の海外活動が広がる。不正な武器使用に対する罰則がないのは大きな抜け穴だ。
    中谷:不当な武器使用に対する罰則は1年以下の懲役、は適切である。上官命令反抗、殺人罪、傷害罪などは個別具体的に法的責任が検討される。
    水野:放火殺人の場合に、殺人罪は適用されるが、放火は問われない、というのは問題だ。

    ◆救命に関する検討会

    【7/28 大塚耕平(民主党)】


    中谷:防衛省は、武力攻撃事態時における自衛隊員の生命を最大限守ることが重要と認識。防衛大綱において、事態対処時における第一線の救護能力の向上を図るとしている。衛生機能の強化に関する検討委員会を設置し、検討項目の一つとして、第一線の救護能力の向上を検討している。部外の専門家の意見を聞く検討会を7月以降3回、開催。9月以降、報告書、提言の予定。
    自衛隊の第一線救護における的確な救命に関する検討会の議事録より
    『弾が飛び交うなかで処置が困難な場合、裂傷が激しい、厳しい場合などセイフティネットも含めて、どこまで許容するかという議論だ』 『戦場ではモルヒネを注射できないので、経口のフェンタニルを含めて検討すべきではないか。セイフティネットとしてどこまで認めるかを議論することが必要である』 『第一線においては、医療が優先する場合と戦闘が優先する場合があると理解している。』

    大塚:セイフティネットというのは、処置を見切って戦闘の方に重点を移さないといけない場合もあるだろうとこの中で議論をしている。更に検討会では、顔面破壊写真、両足切断写真などの資料をもとに医療関係者が第一線における医療行為の検討を行っている。
    議事録では『弾が飛び交う中で』、『戦場では』、『戦闘行為が優先する』とか議論され、一方、今まで衆議院では、「そういう事にはならないから安心しろ、自衛隊のリスクはむしろ小さくなる」などと答弁されていた。不誠実な答弁だ。

    中谷:これは武力攻撃事態対処時において自衛隊の生命を最大限に守ることが重要だと認識をしておりまして、使用の検討を行っているという事だ。
    安倍:武力攻撃事態における、いわば戦闘下における医療行為、これは普通の病院で行う医療行為とは違う、優先順位も違うから、そこでどう判断するかを当然、検討していくのは当たり前のことだ。 今般、集団的自衛権の一部の容認を認めた。PKOにおいても、また後方支援等についても恒久法を作った。確かに任務は増えていくが、個々の任務において出来る限りリスクが低減されるよう、我々も努力をしていきたいと思う。

    ◆メンタルヘルス対策

    【8/3 荒井広幸(新党改革)】

    過酷な勤務環境が想定される海外での活動が、増大することも視野に入れたメンタルヘルス対策はきわめて重要だ。 現状ではメンタルヘルス対策の予算も、専門スタッフの体制も不十分である。 医務官の充実や、経験者を含むメンタルヘルスの統括部所を作る必要性もある。 「弱さ」とみられるのを嫌い、自衛隊員がカウンセリングを受けようとしない「スティグマ」の問題もある。スティグマ払拭にも組織をあげて取り組まねばならない。 隊員家族にも精神的な負担が生じることが心配される。隊員家族へのカウンセリング支援、相談窓口の拡充も求める。

    メンタルヘルス企画官とは:
    大臣官房衛生官:自衛隊の各機関が実施するメンタルヘルスに関する情報共有、施策の強化を図る。 防衛省事務官が担当し、医官、医師の資格をもつものではない。メンタルヘルスにかかる予算規模は、1億8千万円。部外カウンセラー招聘のための非常勤職員手当。専門家育成のための教育訓練費。ポスター印刷、出張旅費など。

    荒井:医者ではない、PKO派遣などの経験のない事務官が自衛隊員のメンタルヘルスができるか。

    ■邦人救出

    ◆北朝鮮拉致被害者の救出

    【7/30  中山恭子(次世代の党)】

    中山:どの法案を見ても朝鮮半島有事、動乱時に北朝鮮拉致被害者を救出できるようにはなっていない。
    安倍:法案の検討時に拉致被害者を含む検討も行った。しかし一定の制約があり、自衛隊の活用には限界があることを理解してほしい。同盟国の米国に対し、拉致被害者に関する情報を提供し、動乱時は米軍による救出体制をつくるよう検討してきた。拉致被害者の安全に関し米国に依頼している。
    法人保護の実施要件
    1. 当該外国の権限のある当局が秩序の維持に当たり、かつ戦闘行為が行われないこと。
    2. 自衛隊が行う保護措置について当該外国等の同意があること。
    3. 部隊と外国当局との連携および協力が確保されること。
    中山:現実には、当局が存在しないテロ事件が勃発している。混乱状態の中で今の国際情勢の中でこの3要件を満たすことは極めて難しい。
    安倍:3要件を満たした場合に限り実施する。不断に検討を行う。

    ◆米軍以外の艦船

    【8/4 中西健治(無所属クラブ)】

    中西:韓国は10年ほど前から外国人労働者を受け入れる政策をとっているため、韓国には、日本人よりも多くのベトナム人が滞在している。そのため、朝鮮半島有事の際には、ベトナムが艦船を派遣し、自国民を一時的に日本に避難させることが考えられる。ベトナム艦船に乗り込んだ日本人も防護の対象になるのか。
    安倍:ならない。米国の艦船および米国がチャーターした艦船で多くの人を輸送することが一番考えられる。

    【8/25 中西健治(無所属クラブ)】

    安倍:既に日本への攻撃が発生している、我が国事態がすでに発生しているという状況であれば、日本への物資が運ばれている船を個別的自衛権の延長で当然に守れる。邦人を乗せている船に対して、日本を攻撃している国が攻撃すれば、守りうる。(個別的自衛権の行使による邦人輸送が可能であることは、過去の政府解釈、安倍総理の答弁、中西議員の意見は一致している。)
    中西:朝鮮半島有事の際には、数十万人の外国人(日本人だけでも6万人近く)が、ひとまず日本に退避してくることが想定される。そのため、釜山〜博多の間(200キロ)は、日本人を含む数十万人を運ぶ船舶で埋め尽くされることが予想される。日本やアメリカの船に限らず、パナマ船籍・リベリア船籍といった第三国の船も多く含まれるだろう。このような状況において、(外国船籍を自衛隊が保護する上で)パナマやリベリアから、「要請または同意」を取り付けて集団的自衛権を行使することが現実的といえるのか。むしろ邦人保護のためには、個別的自衛権を拡張していくケースと捉えるべきではないか。
    中谷:集団的自衛権を行使するに当たり、「武力攻撃を受けた国の要請または同意があること」が要件となっている。

    【8/4 水野賢一(無所属クラブ)】】

    水野:ISILによる邦人拘束、殺害事件を見て、自衛隊は何かできないかと思った人が多い。実際やるとなると全く煮詰まっていない。実際どういう場面で自衛隊が邦人救出に向かうか。
    中谷:日本大使館占拠、日本の航空機のハイジャック、邦人の集合場所が暴徒に襲われた、などの場合。
    在外邦人などの保護措置の要件
    1. 当該外国の権限当局が秩序維持にあたっており、かつ戦闘行為が行われない場所であること。
    2. 当該外国等の同意があること。
    3. 自衛隊と当該外国の権限当局との連携・協力が確保されると見込まれること。
    水野:暴徒に囲まれた人を救出はできるが、国準(国または国に準じる組織)が相手の場合はできないのか。
    中谷:国または国準が相手の場合は(日本人が危険にさらされていても保護措置は)できない。
    水野:任務を行えばハイジャック犯を捕まえるなど相手を拘束する。これは捕虜になるのか。
    中谷:当該国の警察、司法機関に引き渡す。自衛隊は、犯罪者の逮捕、犯罪の取り締まりは行わない。
    水野:邦人保護を理由に自衛隊を海外派遣する場合、国会承認はあるか、派遣人数に上限はあるか。
    中谷:国会承認はいらない。派遣人数に上限はない。
    水野:戦前の海外出兵も端緒は「保護」「救出」が多かった、シベリア出兵では7万人送った。山東出兵(居住民保護を理由に数千人を中国山東州に派遣。国際的反発を受けて撤退)。法文上、万の単位の自衛隊を送ることは可能か。
    中谷:制限はない。相手国当局の同意が必要なので想定されない。

    ■自衛隊の任務

    ◆調査研究部隊の派遣

    【7/29 水野賢一(無所属クラブ)】

    水野:密接他国が武力攻撃を受けた、新三要件に該当する、要請により自衛隊派遣した場合。もし要請がなくなったら自衛隊は撤収するか、防衛出動を撤回するのか。
    安倍:(撤収について明確な回答なし)要請が無くなることは現実的には想定しえない。国際法上違法なことはしない。
    水野:密接な他国が武力攻撃されて、日本が存立危機事態を認定したが、まだ外国から要請がない段階で、調査研究名目で自衛隊を海外に派遣することがあるか。かつて同時多発テロの後、テロ特措法成立後、「調査研究」目的で、インド洋に護衛艦と補給艦を派遣した。無原則にやるとあらゆるところに派遣できるようになる。存立危機事態の場合はどうか。
    中谷:所掌事務の遂行に必要な調査研究のための自衛官の派遣出張は可能だ。
    水野:外国から要請がなく、外国に武力行使に行けない段階で、外国に調査研究にいくことはありうるか。
    中谷:国連PKO派遣検討のための出張などは可能である。
    水野:調査研究目的で自衛隊を海外に派遣する場合、誰が派遣の命令をするか。ルール、歯止めはあるか。
    中谷:防衛大臣が命令する。
    水野:調査研究で自衛隊を海外に派遣できるとなれば、内閣も国会の承認もなくいつでもどこでも派遣できることになる。
    中谷:国際法、憲法を含む我が国の法令に従い節度ある情報収集を行う。
    水野:「節度ある情報収集を行う」とは何か?

    ◆中東想定日米合同訓練

    【7/30井上哲士(共産党)】

    井上:2014年、陸上自衛隊がアメリカのカリフォルニア州の米陸軍戦闘訓練センターで初めて米軍との共同訓練を行った。この訓練には、日本側から富士学校部隊訓練評価隊等の約百八十名が、米側から米陸軍第三、第二ストライカー旅団戦闘団等の約四千名が参加した。ストライカー旅団は、全世界に九十六時間以内に展開する機動性を持った部隊で、日本が一緒に演習したこの第三戦闘旅団は、イラクへ三回、アフガニスタンへ一回展開した、ストライカー旅団の中でも最も展開経験の多い部隊だ。米軍部隊と自衛隊がどういう訓練を行ったのか。
    中谷:米軍の部隊と共同で機動、防御、攻撃といった一連の活動を実施し、米軍の専門の対抗部隊との間で、交戦訓練装置を用いた訓練を実施をした。
    井上:米軍の報道によると、この訓練は決定的行動訓練環境で行われたとして、戦闘旅団の兵士に、ゲリラ部隊、反乱勢力、犯罪分子及び通常部隊と同等の部隊が対決するなど課題が与えられて、そして百八十人の陸上自衛隊はストライカー戦闘旅団とパートナーを組んでこの訓練に完全に組み込まれるというもの。この訓練場内には大小二十か所の集落があって、アフガニスタンやイラクとおぼしきたたずまいで巨大なモスクもあると。訓練期間中はアラブ系の俳優が住民に扮して実際に生活をして、その住民の中に紛れたテロリスト役もいたと。なぜこんな砂漠地帯で、中東を模したところで、日本がアメリカに組み込まれて訓練することが、日本の防衛に関わるのか。まさに中東などを想定した米国との軍事行動ができるようにすると、そのための相互運用性の向上じゃないか。
    中谷:この訓練は、あくまでも陸上自衛隊の練度の確認と日米の相互運用性の向上を目的としたもの。本訓練は自衛隊が中東における活動を行うことを想定したものではない。
    井上:米側はニュースで、砂漠での装甲車の隊形や戦車の構造に関して日本を指導し行動を共にした。統合任務部隊として一緒に活動する大変良い演習になった、と述べている。日本側は、同じ目標達成のために米陸軍と並んで戦うことができると述べたと書いているんですね。中東での武力行使を想定した訓練が既に行われているのは問題だ。

    ◆Use of Forceの解釈

    【7/29小池晃(共産党)】

    小池:我が国では、武力攻撃発生までは武器の使用だが、それ以降は武力行使。他国においては:Use of Force。武力の行使だけ。
    岸田:Use of forceは武力の行使。日本で武器使用と呼んでいるものが外国から見れば武力行使にあたる。
    安倍:国際法上合法な活動を行っている自衛隊員が自己保存のための必要最小限の実力を行使しても武力の行使にはあたらない。
    中谷:我が国では武器の使用と武力の行使を区別している。国際的には区別せずに用いられている。
    小池:そんなこと世界で言ったら笑われる。

    ◆後方支援(兵站)

    【7/29小池晃(共産党)】

    これまでの「周辺事態法」「テロ特措法」「イラク特措法」では、補給に関して、弾薬武器の提供を含まない、外国の武器弾薬の輸送は含まない、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機への給油整備は行わないとされていた。 今回の重要影響事態法案と国際平和共同対処事態法案ではここを変えて、武器の提供以外はできる、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油や整備もできるようになる。米軍など他国軍隊の武器も輸送できるようになる。法律上、運んではいけない武器はあるか。
    中谷:運べない武器は特別ない。米軍のミサイル、戦車は運べる。
    小池:戦闘に向かう爆撃機や航空機に給油、空中空輸、洋上艦上給油もできるか。
    中谷:日米共同による対潜水艦作戦における後方支援の場合行う。作戦行動のために発進準備中の米軍のヘリに給油整備を行う。海上自衛隊の護衛艦は、魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動する。魚雷の射程も考慮し、魚雷の射程外で行う。
    小池:誰がどう見たって完全に米軍と一体になった武力行使だ。米軍と一緒になって自衛隊が戦争やっていると見える。明らかに日本は交戦国だ。これを地理的限定なく地球の裏側にまで行って行う。
    安倍:実際の戦闘現場でない場所で活動する。一体化しないという考えのもとに活動する。国際社会に対して我が国の活動は後方支援に限られ武力行使しないことに限られるとしている。

    米軍海兵隊の海兵隊教本の記載内容:
    兵站は大量の物資巨大な距離短い対応時間に対応しなければならず、兵站は他の機能以上に常套手段計算予測を用いる。これらの活動の全ては予想外の出来事、我々の間違い、あるいは敵の行動によって容易に影響され妨害される。結論として兵站の部隊施設設備は単なる攻撃対象ではなく、軍事行動の格好の標的であることを認識することが重要である。
    2010米国海兵隊が発表したエネルギー戦略と実施計画:
    コンボイ(輸送車体)は伝統的戦闘や非対象攻撃(いわゆるテロ攻撃)に対しぜい弱で攻撃目標になる。
    小池:総理には、兵站が軍事攻撃の格好の対象でありテロ攻撃に弱い、という認識はあるか。
    安倍:後方支援は不可欠。補給を受けている間は戦闘攻撃に対してぜい弱だが、危険を回避し安全を確保する。軍事技術が発達し情報収集能力も向上している。十分な情報収集によって安全確保した上で活動が可能だ。

    米国陸軍、環境政策研究所のレポート:
    2003-2007、イラクとアフガニスタンでの補給任務での死傷者数、
    陸軍だけで、イラク2858、 アフガン188人。

    アフガンで07年
    燃料輸送897回において死傷者38名、死傷者が24回に一回発生。
    水輸送438回において死傷者15名、死傷者が29回に一回発生。
    897回の輸送のうち38人死傷者。24回に一人の割合で死傷者。
    レポートでは、「イラクとアフガンの補給任務における死傷者数は深刻。
    米陸軍の死傷者数の10〜12%である。大多数は燃料と水の輸送に関係している。」と報告されている」。レポートの最初の一文は「戦場での燃料水の補給は命がけ」。

    小池:対テロ戦争の現場では兵站ほどねらわれやすい。総理は大丈夫大丈夫というが危険を理解しているか。当の米軍が危険だ危険だといっている。
    安倍:我が国は、憲法9条の制約、法律上の規定を受けて、戦闘が行われていない場所を実施区域に指定する。
    小池:「自衛隊が実際に活動する期間において戦闘行為がないと見込まれる場所を実施区域に指定する」という規定は、条文のどこに書いてあるか。
    中谷:国際平和支援法第7条3に、「防衛大臣は〜円滑かつ安全に実施できる区域を指定する」と記述されている。「自衛隊が実際に活動する期間において戦闘行為がないと見込まれる場所」は法案に記述されていない。
    小池:法案に書かれていないことを書かれているかのように話すから国民の不信を招く。
    中谷:IED路肩爆弾、即席爆破装置が道路路肩に仕掛けられていて最も多くの死傷者を出している。

    アフガン戦争に派遣された米軍以外の死者の分析。
    カナダ軍の死者158名、うち80%は、IED、自爆、地雷による。
    ドイツ軍の死者54名、うち61%は、IED、自爆、地雷による。
    イタリア軍の死者48名、うち75%は、IED、自爆、地雷による。
    デンマーク軍の死者43名、うち68%は、IED、自爆、地雷による。

    小池:対テロ戦争の現場では銃撃戦よりもIEDなどによる犠牲者が圧倒的に多い。サモワでもIEDを見たという話だ。非戦闘地域でもIED攻撃はある。物資輸送中にIEDで吹き飛ばされる。あらゆる場所が一瞬で戦闘現場になる。安全な場所で行うから大丈夫だなど言えない。
    安倍:安全確保は、一人も死傷者ができなかった過去と同じようにおこなう。
    参照リンク 小池晃議員が質問で使ったパネル

    【8/5藤末健三(民主党)】

    藤末:国際法上、兵站は武力行使の一環である。敵国から見れば日本の後方支援は武力攻撃と一体化して見え、自衛隊も敵国の攻撃対象になる。日本(自衛隊)が攻撃されたら反撃できるか。
    中谷:日本は武力行使できない。(日本が行う後方支援は)支援活動であり、支援活動を行うものに対して武力行使を行うのは国際的に違法で正当化されない。

    藤末:武器や弾薬を日本人が運び、それを使って米軍が外国の人を殺す。そうすれば相手国から恨みを買う。

    ◆駆けつけ警護

    【8/19藤田幸久(民主党)】

    安全確保業務(駆けつけ警護)の内容は、
    防護を必要とする住民等の生命・身体・財産への危害の防止、特定の区域の保安のための監視・駐留・巡回・検問および警護を行う。犯罪捜査、犯人確保といった業務は含まれず、治安維持活動一般とは異なる。現代の国連PKOにおいてこうした業務は現地警察当局または国連警察が実施するものとされている。
    安全確保業務に伴う任務遂行型の武器使用は、
    領域国及び紛争当事者の受け入れ同意が、この業務が行われる期間を通じて安定的に維持されることが認めらえることを要件とする。国家または国家に準じる組織が敵対するものとして登場することがないことを確保(反撃する相手が国に当たる組織の場合は憲法で禁じられている海外での武力行使にあたる)しており、これらの武器使用が、憲法9条が禁じる武力の行使にあたらないことを担保している。武器使用は自己または他人の生命・身体・財産を守るため、またはその業務を妨害する行為を排除するため、やむを得ない場合に認められるもので厳格な警察比例の原則に基づくとともに、危害要件(相手を傷つけることが許される)は正当防衛または緊急避難の場合に限られる。
    藤田:攻撃対象が国に当たる組織の場合は海外での武力行使にあたり憲法で禁じられている。攻撃対象が国でない場合は、憲法上の禁止はない。相手が国か反乱軍かによって、武力行使ができるできない、と区別されている。当局(国)と反乱軍の間で、人間に差はないのに、一方は殺傷できて、他方はできない。それが平和憲法の精神であるか?「武力行使を禁じる」平和の理念はどこにいった。
    法案成立後、駆けつけ警護任務が予定されている南スーダンの場合:
    (■シビリアンコントロールの【南スーダンPKO派遣】 参照)

    南スーダンでは、2013年(平成25年)12月以降、大統領と前副大統領が対立、政府軍と反政府勢力の衝突が続いている。キール大統領はディンカ族の出身で、マシャール前副大統領はヌエル族の出身であり、内戦は民族間の争いとなっている。大統領派が正当で、副大統領派が犯罪者、という白黒の分かれた事態ではなく、どっちもどっちの争い。法案が通れば、そこに自衛隊が行って、大統領派に味方し、駆けつけ警護業務、安全確保業務を行う、反政府軍からの反撃に対しては自己防衛のために憲法の制約なく(動くものは何でも)殺傷破壊戮が可能。

    【8/19河野義博(公明党)】

    駆けつけ警護業務は、現地の治安当局が対応できない場合、道路建設などに従事する自衛隊員が駆けつけ警護を行う。一義的に地域の安全確保を担う現地治安当局や国連PKO等の他の部隊よりも速やかに対応できる場合に、緊急要請に対応して現場にかけつける形で行われる。逃亡する襲撃者を追走するものではない。このような現状からすれば、対応する地域はおのずと限定される。地理的範囲が無制限に広がることは考えられない。

    駆けつけ警護が事態の悪化や混乱を招かないための留意点:
    安全確保業務と同様、領域国及び紛争当事者の受け入れ同意が、この業務が行われる期間を通じて、安定的に維持されることが認められることを要件とする。これにより武器使用が憲法9条が禁じる武力の行使にあたらないことを担保する。

    武器使用は、厳格な警察比例の原則に基づくものなので、保護対象である活動者の生命・身体の防護のためにその要件は限定されるとともに危害要件(相手を傷つけることが許される)は正当防衛または緊急避難に限られる。

    明確に答弁いただいたように駆けつけ警護に関しても自己または保護しようとする活動者の生命または身体を防護するにやむを得ない必要があると認められる相当の理由がある場合に、その事態に応じて合理的に必要とされる範囲で武器を使用することができる、という極めて限定的な業務内容であるということを確認した。

    ◆停戦監視業務(PKF)本体業務

    【8/19藤田幸久(民主党)】

    停戦監視業務(PKF)本体業務、安全確保業務は国会の事前承認が必要。

    停戦監視業務(PKF)本体業務の実施については、平成4年、自公民の合意に基づいて法案が修正され、原則として国会の事前承認を必要とするとされた。その理由は、停戦監視等の業務に当たるのは主に歩兵部隊であることから、シビリアンコントロールで歯止めをかける必要があること。

    【ことば】PKF(国連平和維持軍)は、各国軍隊などで構成するPKOの組織を指す。PKFの活動は本体業務(停戦・武装解除等監視など)と後方支援業務(輸送、建設など)に分けられる。本体業務は軍事的性格が強く、政府は当初、実施を凍結し後方支援に限ってきた。01年12月のPKO協力法改正で、本体業務の凍結を解除し武器使用基準も緩和した。しかし本体業務に必要とされる「任務遂行のための武器使用」までは認めていない。 毎日新聞 2005年2月1日 3時00分

    ■武器・弾薬

    ◆武器等防護

    【8/3吉田忠智(社民党)】

    米軍以外の外国軍隊の武器でも、現に我が国防衛に資する活動に用いられていれば我が国防衛力を構成する物的手段とみなされる。自衛隊と連携して武器等防護する。
    我が国防衛に資する(助ける、役立てる)活動とは
    1. 重要影響事態における輸送補給
    2. 共同の情報収集、警戒活動
    3. 共同訓練

    中谷:この3事例に限定されるものではない。いかなる外国に、いかなる支援を行うかは、防衛大臣が個別具体的に判断する。

    吉田:あいまいだ。
    内容は防衛大臣が、目的、内容をふまえて個別具体的に判断する。米軍等から警護の要請を受け、必要と判断した場合に実施する。
    吉田:あいまいだ。武器等防護は2013,2014の安保法制懇婚では、集団的自衛権の事例とされている。今年4月の新ガイドラインに書かれた、米国の標準交戦規則では、他国軍隊の防護は集団的自衛権の行使とされている。
    中谷:米国には米国の規定があることは承知している。集団的自衛権の行使までには、被害国の宣言、援助要請 + 存立危機事態、対処基本方針、閣議決定、(国会承認)の手続きがある。一方、武器等防護では制限なく、米軍を支援する。 (日本側に制約があることを)米軍に説明し理解されることが条件だ。我が国は主体的に判断する。

    【8/21蓮舫(民主党)】

    蓮舫:法案では、自衛官が米軍の空母、戦闘機、ミサイル、全てを防護できるとし、更にこうした武器を警護防護するために自衛官が武器を使えると規定している。
    中谷:しかしいろいろな制約をつけている。戦闘現場では実施しない、もし戦闘になったら中止するという規定があり、あくまでも平時に武力行使にならない範囲で警護を実施するということだ。
    蓮舫:武力行使が起きた時に(武器等防護オペレーションの)中止を規定しているとは。
    中谷:規定はないが、この行動は武力行使にならない範囲に限るということ。
    蓮舫:米軍艦船と自衛隊イージス艦が共同行動し、相互防護している際、自衛官はミサイル迎撃も行うか。
    中谷:ミサイルの使用は当然考えられるが、武力行使にならない範囲なので、それが戦闘行為ならばできない。それ以前の段階、例えば、不審船のようなグレーゾーンならばミサイル迎撃警護もありうる。
    蓮舫:後方支援している艦船を狙って発射された対艦ミサイルを迎撃することができるか。
    中谷:それが戦闘行為の一環であれば迎撃できない、しない。
    蓮舫:戦闘行為ではないミサイルとは何か。
    中谷:人を殺傷し又は物を破壊する行為は戦闘行為である。一方、テロリストや不審船がミサイルを使用してくる場合は、(国際的な武力紛争とはいえず戦闘行為ではないので)迎撃できる。
    蓮舫:米軍の空母を自衛隊が警護をしているときに近傍で武力攻撃が発生し、突発的に米軍が応戦し、自衛隊が防護している米軍の武器が戦闘行為で使用される可能性を想定するか。
    中谷:警護を行う必要性について、防衛大臣が、その場の現場、状況において判断する。
    蓮舫:これが戦闘行為のミサイルかそうじゃないか、迎撃してよいかよくないか、判断するのは防衛大臣か。
    中谷:判断するのは政府だ。ただし、相手が国または国に準じる組織でない場合は、武力行使にあたらないので、現場の指揮官が判断する。また、自衛隊法95条は、武器等防護のための武器使用権限を、警護に当たる個々の自衛官に与えている。
    蓮舫:この法案が通ったら、国を守るという名目で、外国の軍隊の武器を守る自衛官が、ミサイル迎撃、火器使用が可能となる、これは相手から見たらまさに集団的自衛権の行使だ。
    中谷:自衛官は部隊の一員で指揮系統に基づく存在だから、上官の命令に従う。射撃においてもROE等の規則に縛られる。
    蓮舫:その点は条文に明記されていない。法案の不備だ。 蓮舫:武力攻撃に至らない侵害が発生し、重要影響事態と認定され、自衛隊に武器等防護の要請がなされた場合、自衛官は外国軍隊の武器を守れるか。
    中谷:可能だ。戦闘行為が発生した場合は、停止する。
    重要影響事態法、活動の停止
    第六条四項 部隊が円滑・安全な活動が困難となった場合、防衛大臣は活動の中断を命じる
    第六条五項 部隊が活動を実施している場所又はその近傍で戦闘行為が行われると予想される場合、部隊長は活動の実施を一時休止して危険を回避する。
    これらにより、武力行使との一体化を回避する。
    自衛隊法95条の2(改正案)
    自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している米軍等の部隊の武器等であれば、当該武器等を防護するための武器の使用を自衛官が行うことができる。
    蓮舫:自衛隊法改正案には、重要影響事態法の規定同様の、実施区域指定、変更、中断、一時中止、危険回避の条文はあるか。
    中谷:条文にはない。
    蓮舫:重要影響事態(兵站等)で派遣される人には危険回避措置が条文にあり、自衛隊法(邦人保護、武器等防護、弾薬の輸送提供等)で派遣される人には危険回避措置がない、なぜか。
    中谷:自衛隊法は我が国防衛が本来任務。身の危険を顧みず国民の負託に応えるために最善の目標を達成するために行動する。重要影響事態においては、他国の後方支援なので一時休止や危険回避を法律上明記した。
    蓮舫:なぜ自衛隊法第九十五条の改正案には危機回避条文がないか。
    中谷:九十五条は、平時と、武力行使にならない範囲の中で行動する。米軍等の部隊とともに活動している現場だから、突発的な戦闘行為は想定されない。万一、状況の変化によって戦闘行為が発生するおそれがあると認められた場合は、大臣が警護の中止を命じる。戦闘行為の恐れがないか、しっかり情報収集し、活動内容も調整しながらやっていく。

    【8/26 小川勝也(民主党)】

    自衛隊法第95条、武力行使の要件:
    1. 武器を使用できるのは、職務上武器等の警護に当たる自衛官に限られている。
    2. 武器等の退避によっても防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合は武器を使用できる。
    3. 武器の使用は警察比例の原則に基づき、事態に応じて必要と判断される限度に限る。
    4. 防護対象の武器等が破壊された場合や、相手方が襲撃を中止・逃走した場合は武器の使用ができなくなる。
    5. 正当防衛または緊急避難の要件を満たす場合でなければ、人に危害を加えてはならない。
    小川:もし米国の艦船が撃たれたときに日本の艦船が「武力行使」する、これが「防護」ではないか。
    中谷:国または国準に対する武力行使に至らない武器使用がある。日常時、警戒監視時、PKO活動時、安全確保のための武器使用がある。ミサイルで撃たれる、などではない事態において日本は米軍を防護する。
    小川:潜水艦から米艦に魚雷が撃ち込まれたら、日本のイージス艦からアスロック(対潜水艦)ミサイルを打たないか?
    中谷:自衛隊法第95条は、現に戦闘行為が行われている現場を除く、となっているので、戦闘攻撃はしない。
    小川:米艦船が魚雷で狙われていて、日本の艦船のみが防御ミサイルをもっているときに、日本は防護しないのか。
    中谷:日本側は武力行使をしない、ということを米側と調整しているので、法律の範囲内で米側を防護する。武器等の退避によって防護が不可能な場合、 他に手段がなくやむを得ない場合でなければ武器を使用できない。防護対象の武器が破壊されたり、相手方が襲撃を停止・逃走した場合は武器使用ができなくなる。正当防衛、緊急避難でなければ人に危害を与えてはいけない。これらの要件が満たされない場合は武器使用できないので、米側に対してこれらの要件を説明して理解を得る。
    小川:武器使用の行使要件の2「武器等の退避」を米国の艦船に恥ずかしくて言えないだろう?
    中谷:米国に(追撃は)できない、と言う。米側に事前に説明しその前提で活動する。
    小川:日本のイージス艦が米艦船を守るとき、「警察比例」で守るとはどういうことか。
    中谷:「警察比例の原則」は、その手段対応は除去されるべき障害の大きさに比例しなければならず選択可能な手段のうち必要最小限度にとどまらなければならない。
    小川:米艦船が敵艦からの魚雷で撃たれたら、自衛官は、それしか方法がないとして警察比例でアスロックミサイルを撃てるのか。
    中谷:個別具体的なケースがある、共同訓練実施する、日米間で協議する、日本の法律に従って行動する。
    小川:米国は都合のいい時だけ防護するような相手に防護を頼みたくないだろう。
    中谷:自衛隊は法律の範囲で防護する。米国には説明し理解を得る。米国の警護部隊と緊密な連携をとる。
    小川:武器使用できないならば防護はできないだろう。
    中谷:憲法の範囲内で法律を考えた。武力行使できないという前提で法律を提案している。
    小川:武器等防護の対象となる武器は従来、機関銃、武器庫等防護であった。それを米国の空母や艦船まで対象を広げる、というのは法律に対する冒とくだ。この法律では、「自衛官は米国等の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織を防護できる」とされていて、日米同盟やアクサ(ACSA:米国軍の物品役務相互提供協定)を結ぶ諸国だけでなく無尽蔵に他国を防護できる。内閣法制局がまともに機能していたらこんな歯止めのない法案を作るはずがない。日本のイージス艦は装備、乗組員のモラル、能力、性能が最高である。しかし、憲法があって憲法の上に法律が作られている。刑法、刑事訴訟法、軍法、軍事裁判がないと武器使用も武力行使もできない。大臣もできないことが多い、と言っている。こんな未整備な法体制で自衛官が万一米国に裁かれることになったらどうする。この法律は武器等防護ができたらいいという願望であり実態のない法律だ。

    ◆武器・弾薬の輸送・提供

    【7/30福島瑞穂(社民党)】

    福島:今まで周辺事態法は「武器(弾薬を含む。)の提供を含まない」となっていた。今回、弾薬の提供を可能とした。弾薬は武器か。
    中谷:弾薬は弾薬だ。弾薬とは、武器とともに用いられる火薬類を使用した消耗品。提供対象とならない武器とは、直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置。誘導ミサイル、機雷、魚雷は提供できる弾薬に含まれない。
    福島:今まで、武力行使と一体化だからできないとされていた弾薬の提供、発進準備中の戦闘機への給油ができるようになったのはなぜか。武力行使と一体化になるのではないか。
    中谷:今までは米軍からのニーズがなかったので入れていなかった。今回、米軍からこれらを含む幅広い後方支援の期待が示された。南スーダンPKOにおいても陸上自衛隊の部隊が国連から要請を受けて韓国部隊に弾薬を提供したということがあった。実際にニーズが生じているので、実施が必要だと考えた。
    福島:法案の名前が国際平和支援法です。でも、A国とB国、アメリカとB国が戦っている。日本がそれに対して兵たんをする、弾薬を提供する、医薬品を提供する、様々なものを提供する。米国とB国は戦場で戦争している。平和支援法ではなくて戦争支援法ではないか。
    安倍:この国際平和支援法の活動は、国連決議等、国連憲章の目的にかなう措置として実力の行使をしている国々に後方支援をする、これはまさに世界の平和のための活動だ。戦争は国連憲章によって違法であるが、我々がやるのは支援だ。
    福島:イラク戦争もベトナム戦争も集団的自衛権の行使としてなされた。(大量破壊兵器がなかった)イラク戦争は誤った戦争だった。アメリカがB国と戦争するのに日本が後方支援する、これは戦争支援法だ。

    【8/3 井上哲士(共産党)】

    井上:武器弾薬の輸送について、法律上、これは運んではならないという規定されたものはあるか。
    中谷:今回の重要影響事態法、国際平和支援法では、法律上、特定の物品の輸送を排除する規定はない。
    井上:非人道的な兵器だと禁止が求められてきたクラスター爆弾や劣化ウラン弾について米国の政策は。
    中谷:クラスター爆弾について米国は、保有状況を公表していないが、アフガン、イランで使用した。無差別使用による影響を懸念する一方で、その軍事的有用性も認識している。劣化ウラン弾については国際機関による人の健康等に対する影響調査の結論がまだ出ていないと認識している。
    井上:クラスター爆弾や劣化ウラン弾も日本は輸送するか。
    中谷:輸送上の安全性確保が大前提になる。法律上、排除はしていない。これらの弾薬を輸送することは念頭に置いていない。

    【8/4 福島瑞穂(社民党)】

    中谷:劣化ウラン弾もクラスター弾も、これは弾薬だ(から輸送できる)。ミサイルは、あえて当てはめるとすれば、弾薬に当たると整理することができる。

    【8/11大塚耕平(民主党)】

    大塚:非核三原則は「作らず持たず持ち込ませず」と書かれているが「輸送せず」とは書かれていない。非核三原則があるから輸送しない、というのはどうして言えるのか。
    中谷:回答なし(理事会で協議)
    大塚:防衛省規格目録のY7000-7999項に、対ミサイル用弾薬、クラスター弾の試験方法が記載されている。巡航ミサイルは保有していないのに目録に記載されている。提供するか。
    中谷:提供しない。運用を定めたものだ。→(理事会で協議:輸送・提供が可能な弾薬の資料)
    大塚:劣化ウラン弾やクラスター弾は輸送しない、とのことだが、発進準備中の航空機に給油をする場合に「我が国が輸送や提供をしないと決めている武器・弾薬を積んでいる米軍等の戦闘機に対しては給油しない」という取決めができるか。
    中谷:給油について日米間で調整する。

    ◆核兵器

    【7/30井上哲士(共産党)】

    井上:核兵器を搭載をしたF35などが乗っている空母を日本が防護をすることが法律上可能か。
    岸田:米国は核兵器の所在を肯定も否定もしない政策をとっている。米軍が自衛隊に核兵器を搭載した航空機あるいは艦船等の警護を要請することはそもそも想定されない。
    井上:米国は、二〇一〇年の核態勢、NPRの見直しの中で、今後、空軍はF16をF35に置き換えて、通常兵器と核兵器の両方を運搬する能力は保持するとしている。さらに、米国の核兵器をF35などの戦術戦闘爆撃機及び重爆撃機で前方展開する能力を保持するとしている。グリナート太平洋軍の司令官は先月の二十九日の記者会見の中で、日本がそういうのを載せた米空母の防護を行う可能性もある、空母打撃群との連携を含めた海上自衛隊と米海軍の関係の全く新しい一章を刻むとまで言っている。
    岸田:米国が我が国に対しまして核兵器を搭載した航空機や艦船等を警護することを要請すること、これは考えられない、想定されない。

    【8/5 白(はく):眞勲(はくしんくん)(民主党)】

    白(はく):重要影響事態安全確保法そして国際平和支援法においては、武器と弾薬の輸送は可能か。
    中谷:後方支援等で可能だ。
    白(はく):この安保法案の法文上、米軍のミサイルは輸送できるか。
    中谷:法文上は可能でございます。
    白(はく):日本の自衛隊が核弾頭付きのミサイルを運ぶことは法文上可能か。
    中谷:(ミサイルは)輸送は可能であり、提供は法律上はしない。核兵器を輸送するということは(現時点で)想定していない。
    白(はく):日本の自衛隊は核兵器を運ぶことがこの法文上可能か。
    中谷:法文上は排除していない。日本には非核三原則(という政府声明、ただし国内領域内限定)があり、これを維持する。核兵器を運ぶことは(現時点では)想定していない。
    白(はく):広島出身の岸田外務大臣は、この法律で日本が核兵器を運ぶことを知っていたか。
    岸田:今初めて知った。我が国が核等を運搬することはあり得ないと思っている。
    白(はく):核兵器を提供することは可能か。
    中谷:日本は核兵器を保有していないから、提供もあり得ない。核兵器は核弾頭を持っていて、分類上は弾薬、つまり消耗品にあたる。
    白(はく):憲法上核兵器は持つことは可能か。
    横畠裕介・内閣法制局長官「憲法上核兵器を保有してはならないということではないというふうにこれまで答弁しております」
    白(はく):毒ガスは運べるか。
    中谷:法律上は特定の物品の輸送を排除するという規定はございません。我が国は国是といたしまして非核三原則がありますし、生物化学兵器、これは保有しないという条約を結んでおりますので、それはあり得ないし、そういう場合におきましては拒否をするということでございます
    白(はく):最初からこの法案に、せめて大量兵器は除くとか非人道兵器は除くとか書いておくべきじゃなかったんでしょうか。
    中谷:個々具体的にそういう要請に基づいて自衛隊は主体的に判断をしていく
    白(はく):核ミサイルや核爆弾を積んだ戦闘機や爆撃機に給油、空中給油、核ミサイルを積んだ原子力潜水艦に補給はできますか。
    中谷:現に戦闘行為が行われていない現場であれば給油はできる。
    白(はく):原子力潜水艦、核ミサイルを積んだ原子力潜水艦に補給はできるか。
    中谷:現行の周辺事態法では、武器弾薬ごとに除外規定を設けていたが、新法案では除外規定はない。

    【8/5 藤末健三(民主党)】

    藤末:核兵器の輸送のみなず、核兵器の修理、整備、保管、施設の利用、核兵器を使用した訓練は法理上可能か。
    中谷:米国が日本に核兵器の保管を依頼してくることない、と想定している。非核三原則、核兵器・生物兵器・化学兵器の不拡散条約を守る。
    藤末:不拡散条約は、兵器の使用を禁止していない。法理上はできるが、私たちはやらない。米国を信用している、というだけでは、暴走を止められない。

    ■船舶検査活動法

    ◆船舶の停船検査

    【8/4仁比聡平(日本共産党)】

    中谷:存立危機事態に海上輸送規制法に基づく措置として、基本的に公海において、行き交う船舶が敵国の軍用品を乗せていることが相当疑われる場合に、停戦・検査等の措置を行う。外国領海については当該外国の同意がある場合に限り実施できる。停戦検査措置の対象は、民間船舶であることから、自衛権の行使そのものではなく、自衛権の行使に伴う必要最小限の行使であり、武力の行使にあたらない。
    仁比:相手が従わない場合は戦闘に発展する。船舶検査は武力行使の一環として行われるということだ。
    図:存立危機事態における海上作戦例
    海上自衛隊の内部資料「平和安全法制案について」
    (1)停船検査(2)後方支援(3)機雷掃海 (4)米艦等の防護―の四つの活動を「存立危機事態における海上作戦」として説明。 「機雷掃海」と「米艦防護」は自衛隊法88条に基づく武力行使であり、残る二つも、いわゆる「戦闘現場」で実施することが可能であるとの見方を示した。
    中谷:四つの活動は法律に書かれた内容だ。後方支援、存立危機事態において海上自衛隊が実施できる活動をイメージ化したものだ。存立危機が認められる重要影響事態と、存立が認められない重要影響事態は違う。米軍関連行動関連措置法は、武力攻撃事態に関連し米軍に対する後方支援で、これを存立危機事態にも対応するものとした。 統一見解→理事長
    仁比:安倍総理は、機雷掃海は事実上の停戦合意があるとか静穏な状況でなければできないとか言ってきたが、この図は、米軍の艦船が敵国の艦船に対してミサイル攻撃を行っている、戦争のさなかに実施される日米共同海上作戦の例で、停船検査も後方支援も機雷掃海も米艦等の防護もするというものだ。その中で武力行使としての機雷掃海も行うというものではないか。
    安倍:掃海艇はぜい弱(木造、プラスチック)なので、戦闘行為のさなかでの機雷掃海は実施できない。
    中谷:内容については省内でも具体的な議論をしておらず、法律の制定後に検討する。
    仁比:この4つの作戦は、新ガイドラインに協力項目として記載されている。
    日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動(という合意項目)
    日米両国が各々米国または第三国に対する武力攻撃に対処するため武力の行使を伴う行動をとることを決定する場合であって、日本が武力攻撃を受けるに至っていないとき、日米両国は、当該武力攻撃への対処および更なる攻撃の抑止において緊密に協力する。自衛隊は武力の行使を伴う適切な作戦を実施する。
    作戦例「海上作戦」
    海上交通の安全を確保することを目的とするものを含む機雷掃海
    艦船を防護するための護衛作戦
    当該武力攻撃に関与している敵に支援をしている船舶活動の阻止
    後方支援
    作戦上各々の後方支援能力の補完が必要となる場合、柔軟かつ適時に後方支援を相互に行う。
    安倍:機雷掃海、米艦防護、後方支援、船舶の停船検査、いずれの活動も、関係法令の規定に基づき行うことができる。
    仁比:我が国に対して武力攻撃がないにもかかわらず、これだけのことをする。これが憲法9条が禁止する武力攻撃ではないとは言えない。

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